『侍戦隊シンケンジャー』 の殿×ことはにすっ転んだ早瀬美夜がお送りする、ちょっとじれったい系ほのぼのSSブログです。お気に召しましたら幸いです♪

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「Drunken Santa Claus」
MERRY Xmas!

イブだっつーのに、朝っぱらからこんなもん書いてる困った主婦、早瀬でございます。
一応43幕から引っぱってますが、別に気にせずとも問題ナシ。
とっても赤黄な甘々SSにも関わらず、フルキャストのパーティです。
なんとか間に合ったクリスマスSS、お楽しみいただければ幸いです♪

Drunken Santa Claus


「メリー・クリスマス! 」
 ぱんぱんっ! と景気のいいクラッカーの音が鳴り響き、侍達はグラスを持ち上げた。
 例によって綺麗に飾り付けられた奥座敷では、今からパーティが行われようとしていた。
 長身の丈瑠や流ノ介たちより更に大きな生のモミの木は、源太が用意してくれたものだ。
 みんなで飾り付けをしたツリーの天辺で、ダイゴヨウがお星様よろしくぴかぴかと輝いている。
 そんな中、珍しく持ち出されたちゃぶ台の上に並べられた料理は、やっぱり今回も洋風だ。
 志葉家始まって以来、初めてのクリスマス・パーティである。
 少し戸惑い気味の丈瑠だが、それでもなんやかんやと騒ぎたがる仲間のおかげでだいぶ慣れてきたようで、パーティを楽しむ余裕も出てきたようだ。
 黒子が持ってきたケーキを見て、一斉に歓声が上がる。
「おお、生クリーム! うまそー♪ 」
「きゃあ、なにこれ、かわいい! 」
「…なんだ、このアタマのでかいレッドは。 」
「いえいえ、殿のレッドは2頭身でも凛々しいです! 」
「ダイカイシンケンオーもついてるぜ! でもイカテンクウバスターはついてねえのかよ? 」
「彦馬さん、なんですの、このかわええケーキは? 」
「うむ、志葉家の取引先からの差し入れだ。 殿がCMに協力したのでな。 」
 ひとつ大きな事件が終わり、敵幹部の一人を倒せたことの安堵感もあってだろう、みんなの表情は柔らかい。
 顔やら腕やらに絆創膏があろうと、ひとつの平和が守られたことに比べれば些細なことだ。
 彼ら侍とは、そういうものだった。
 黒子が包丁を持ってきたのに気付いて源太が言い出す。
 レッドのフィギュアやその後ろの金屏風をどけながら。
「よし、オレが切るぜ。 オレたち6人と爺ちゃんで7人だが、7等分は難しいから8等分な。 」
 料理人・源太が包丁をナゼか腰溜めに構えた。
 それを見て、彦馬がひとこと入れる。
「儂の分はいいぞ。 おまえ達6人で分けなさい。 」
「え、もう切っちまった。 」
 彦馬の言葉に顔を上げた源太の持つ包丁に生クリームがついていて、いつ切ったのか、もうケーキは綺麗な8等分に切られていた。
「…源ちゃん、無駄な早業…。 」
「さすがやなぁ、すごいわ、源さん。 」
 呆れる千明と喜ぶことはの横で、溜息をつきながら茉子が皿を手にする。
「魚を捌くんじゃないんだから…。 はい、これに乗せてって。 」
「おうよ! 」
 源太が捌いた、もとい、切ったケーキをフォークと共に乗せ、黒子がそれぞれに渡していく。
「で、その余りは? ダレが喰うの。 」
 さすがに8等分は少ないと思ったのか、早々に言い出す千明に、丈瑠が言った。
「ことはと茉子が食べればいいだろう。 」
「えー!? そりゃないでしょ。 」
「嬉しいけど、そんなんうちらだけ申し訳ないです。 」
「食べたいけど、こんなに食べて太ったらどうするのよ。 」
「そんな大したサイズじゃないだろう。 そもそも茉子は太ってないぞ。 」
 それぞれが口にする言葉は統一性がないが、暗に食べたいと思っている者が複数名。
 侍達は、カオを見合わせた。 にやりと笑う。 そうなったら、手は一つ。
「そこはやっぱ。 」
 千明と源太、そして流ノ介が声を揃えた。
「「「勝負だ! 」」」




「だーっ! ちくしょー、負けたっ!! 」
 千明が持っていたトランプをぶちまけた。
 いつの間にやらすっかり彼ら定番の遊びになってしまった七並べである。
 以前は楽勝に勝てた戦いだったのに、気付けば随分と勝負慣れしてきた丈瑠と、意外な強さの源太が2トップ、以下、千明、茉子、流ノ介、そしてビリがことは。
「はい、決着ー。 悪ぃな、みんな♪ 」
 源太が嬉しげに余りの1つをもらい、もう1つを丈瑠の皿に載せる。
「いや、俺は、」
「ダメだぜ、ちゃんと丈ちゃんがもらわねーと、勝負がご破算になっちまう。 」
 にっ、と有無を言わせない笑顔で言われて、仕方なくもらう。
 丈瑠自身はそれほどケーキに執着はなかったので、もし勝ってもいらないと言おうと思っていたのを見透かされたようだ。
 しかして、先程の茉子ではないが、こんなに食べられないと思っていた矢先に源太が楽しげに言った。
「で、だ! やっぱここは、負けた流ノ介とことはちゃんに、罰ゲームとしたもんじゃねえ? 」
「えええっ!? 」
「何っ!? そんな話は聞いてないぞ! 」
「そりゃ言ってないからな。 いや、ちょっと楽しいカッコしてもらうだけだって。 」
 言いながら、やたら嬉々として持って来ていた大きな紙袋から、白いビニール袋に入ったものをことはに、そしてもう1つを袋を流ノ介に渡す。
 中を覗き込んだ2人は笑い出した。
「なんだ、コレは! 」
「わあ、かわええ。 」
 流ノ介が袋から出したのは、フェルト製らしいトナカイの角がついたカチューシャとでっかい偶蹄目の手袋。 そしてことはが出したのは、サンタクロースの服だった。
「サンタ服や。 うち1回こーいうの、着てみたかったん。 早速着てみるね。 」
「おお、喜んでもらえて嬉しいぜぃ! 」
 ぱたぱたと部屋へ戻っていったことはに目を遣りながら、丈瑠が訊いた。
「…罰ゲームじゃなかったのか? 喜んでるぞ? 」
「いいじゃない。 こういうのは楽しんだ者勝ち。 それに、源太がホントに罰になるようなモノを持ってくるわけないでしょ。 」
 茉子の言葉に納得しながら流ノ介に視線を巡らせれば、なにやら源太とぎゃあぎゃあ言い合いをしながらも、とうとうカチューシャをつけたところだった。
 途端に千明が爆笑する。
「あっはっはっ!! 似合うぜ、流ノ介! どっから見ても、でっけえトナカイ! 」
「そ、そうか、似合うか? 殿、いかがでしょうか!? 」
 手袋までつけた流ノ介トナカイがミョーに嬉しそうで、丈瑠は思わず吹き出した。
「いいんじゃないか。 」
 主君にホメられて、流ノ介は気に入ったようだ。 茉子にも似合うと言われてますます喜ぶ流ノ介は、すっかりトナカイ気分らしい。
 千明と肩を組んでクリスマス・ソングなどを歌っている姿は、ご機嫌の酔っ払いには見えても、とても歌舞伎役者には見えない。
 丈瑠がやれやれと溜息をつきながら、いつもの自分の席に座り込んでケーキをつついていると、しばらくしてことはが戻ってきた。
「おまたせー! 志葉家にサンタさんが来たでー♪ 」
 ぴょん、と部屋に飛び込んできたミニスカサンタに、全員が一斉に注目した。
 凶悪にカワイイ。
 衣装を見せびらかすようなポーズを取ったことはは、可愛い衣装が嬉しいのか、満面の笑みだ。
 膝上何cmだとツッコミを入れたくなるようなミニのスカートは、当然ながらストッキングなど穿いていない生足で、大変な目の毒である。
「きゃー! ことは、かわいいっ! 」
 茉子が寄っていくと、我に返った男たちが喜ぶ。
「おおお! 予想以上にイイじゃん! 」
「イケる! ことは、めっちゃカワイイ! 」
「あ、写真! 写メっていいか、ことは! 娘の成長を記録せねば! 」
「りゅーのすけ、いつからオマエはことはの父親になったんだよ。 」
「なかなか似合うではないか、ことは。 少し裾が短すぎる気がするが、本当にサンタのようだな。 」
「なに言ってんだよ、爺ちゃん。 今時はこんなもんだって。 」
「あ、私も撮る! 」
 ショドウフォンを取り出し始める侍達の様子は、既にどこかのイベントでキャンギャルに群がるカメラ小僧のようだ。
 それを遠目で見ながら自分もショドウフォンを出そうか迷っている丈瑠に、ことはの目が向いた。
「殿様ー、どうですやろか、この衣装。 うち似合うてますか? 」
「ああ、似合う。 」
 反射のように即座に言ってから、丈瑠は思わず口元を隠す。
 にやけそうになったカオなんて見せられない。
 嬉しそうに、えへへー、と笑ったことはに不器用な笑みを見せると、ようやく丈瑠はショドウフォンを出す。
 みんなが撮っているんだ、自分も撮ったっていいだろう。
 そんなふうに自分に言い訳しながら、可愛い家臣にショドウフォンを向けた。



 歌って騒いで、と、賑やかにしていた侍達だが、そんな時は時間が経つのも早い。
 夜も更け、彦馬は既に自室に引き取った。
 笑いながら手近なグラスに半分ほど残っていたジュースを飲み干したことはは、あれ、と首をかしげた。
「ごめんなー、うち誰かのコップと間違えたみたいや。 飲んでしもた。 」
 ダレと間接キスだ、と思いきや、どうやらそれは茉子のものだったらしい。
「ああ、別にいいわよ…って、それ、お酒だけど、ことは大丈夫? 」
「へ? でも、フルーツっぽい味で甘ぁて美味しかったで? 」
「女性向けの口当たりのいいやつだからね。 でも結構度数高いよ。 ことは、お酒って呑んだことあったっけ? 」
「ないー、けど、美味しかったってことは大丈夫やないんかなぁ。 」
 味は気に入ったらしくにこにことしていることはに、丈瑠が思わず訊く。
「…本当に大丈夫か、ことは? 」
「大丈夫だって。 たったコップ半分だろ、平気平気。 」
 千明が無責任に笑うと、流ノ介もうなずく。
「もし寝てしまっても、ことはの部屋まで連れてくくらいしてやるから大丈夫だ。 」
「コップ半分で寝るって、どんだけ弱いんだよ。 」
 源太が笑うが酒というのは弱い人は徹底的に弱いものだ。
 心配しつつもすぐどうこうということもないらしいようで、その場はそのまま終わった。
 だが、やっぱりそのままでは終わらなかったのだった。



 トイレに立ったことはが帰ってくると、明らかに足元が怪しくなっていた。
 動いたから回ったのだろうか。
 ふらふらと部屋に入ってきたことはに最初に気付いたのは、丈瑠だった。
「…おい、ことは? 大丈夫か? 」
「ナニがですかー? うち、だいじょうぶですよー? 」
 いいながら、なんだかふわふわした足元のおぼつかなさに、丈瑠は思わず立ち上がる。
 助けが必要かと思ったが、茉子が横から手を出して座らせたのでひとまず丈瑠も床に座り直した。
 どうやら本当にあれだけの酒でことはは酔ってしまったらしい。
 いつも笑顔のことはだが、今の笑顔は妙にぽやんと呆けたような、まさしく酔っ払いの笑顔だ。
 これは多分、早く休ませた方がいいだたろう。
 いつの間にやら随分酒が入っている様子の男性陣もだいぶ出来上がっていそうだ。
 そろそろお開きにするべきか、と思っている丈瑠も実は結構呑んでいる。
 一段高い自席に凭れて手酌で呑んでいた丈瑠の傍には数本の銚子が転がっていた。
「ことは。 」
「はい~? 」
 呼ぶと、ことはは膝で四つんばいで寄ってきた。
 おい、スカートの中が見える! と思ったが、見えるだろう位置にいる流ノ介は源太とげらげら笑っていて気付いてもいない。
 茉子も千明とどつき漫才をしていて気付かないようだ。
 ことはが丈瑠の所まで来てちょこんと座った。
 いつも丈瑠の前では正座のことはだが、今日はそれが崩れてぺたんと女の子座りをしていた。
 それがまた異様に可愛い。
「ことは、おまえもう休め。 酔ってるだろ。 」
「えー、そんなコトないですよ~。 うちとってもたのしいです~。 」
 いや、楽しいかとは訊いてない。
 コレはやっぱりダメだ。
 小さく溜息をついた丈瑠は、ふと思い出して自分の席に置きっぱなしにしていたケーキの皿を手にした。
「ことは、おまえ、これ食べるか。 」
「あれぇ? とのさま、たべへんかったんですか? おいしかったのに、キライなん? 」
「嫌いじゃないが、こんなに食えん。 一切れはなんとか食べたが、もういい。
もう一切れはおまえが食え。 で、それ食べたら寝ろ。 」
「はい~。 ほんならいただきます~。 」
 にこにこと皿を受け取ったことはは、嬉しそうにフォークを持ってケーキを切り出した。
 ぱくん、とひと口食べたことはを見てから気付く。
 あ、そのフォーク、俺の。
 意識しなければいいのに 『間接キス』 とかつい考えてしまうが、まったく気にしていないことはを見て、まぁいいか、と思い直す。
 他の男のものなら気に入らないだろうに、現金なものだ。
 と、突然目の前にフォークに刺したケーキの欠片が差し出された。
 ナニかとことはを見れば、にっこり笑顔と共に言われた。
「とのさま、あ~んv 」
 思わずケーキとことはを見比べて、丈瑠はぐらりと己の理性が傾くのを感じた。
 小首を傾げたにっこり笑顔は超がつくほど可愛くて、言われるまま口を開けたのは酔っているからだと信じたい。
「おいしいですか? 」
「…ああ。 」
「よかったぁ。 」
 嬉しそうに笑ったことはは、今度は自分の分を口にケーキを運んでいる。
 そして再び丈瑠の口元にケーキを差し出すことは。
 されるがまま、再びケーキを口にする丈瑠。
 もう今更間接キスとか言っている場合ではない。
 これではなんだかラブラブの恋人同士がじゃれあっているようではないか。
 いっそ、このまま肩でも引き寄せたいくらいだ。
 そんなコトを思うのは、自分がことはに気があるから以外の何者でもないのだが、酔ってしっかり回っていないアタマではそれが当然な気がしてきているから始末が悪い。
 思わず緩む口元に、笑ってもらえたのが嬉しいのか笑い返すことはは本当に可愛くて、もうホントにどうしてくれようかという勢いだ。
 ことはが、結局2人で食べてしまった皿を、すぐ横の1段高い丈瑠の席に置いた。
「おいしかったですねぇ、とのさま。 」
 にこにことご機嫌ななことははまったくの無防備で、戯れにでも本当に丈瑠が肩を抱き寄せたらされるがままになりそうだ。
 そんな余計なコトを考えたからだろうか、無意識に手を伸ばしかけた…途端、ことはの身体がぐらりと傾いた。
 おい、まだ俺はなにもしてないぞ!?
 丈瑠の動揺もまったく気付くこともなく、そのままことははその場で横になり、あろうことか、丈瑠の胡坐をかいた膝の上にその小さな頭を乗せて目を閉じていた。
「…おい、ことは? 」
 さすがにここまで来ると動揺を隠せず声を掛けた丈瑠だが、ことはは目を開ける様子はない。
「おい、こんな所で寝るな。 風邪引くぞ。 」
「…だって、とのさまがケーキたべたらねろっていいました~。 」
 言った。 確かに言ったが、それは、部屋に戻って布団で眠れという意味で、断じてここで、それも膝枕で眠って良いと言ったわけではない。
「おい、ことは。 」
「…おやすみなさい、とのさま~。 」
「おやすみじゃなくて、ことは。 おい、部屋へ戻れ。 」
「…ここがええです~。 とのさまのおひざ、きもちええ…。 」
 男の硬い膝のドコが気持ちいい。
 それも鍛えた男の筋肉質の足だ、硬いに決まってる…って、いや、そういうモンダイじゃなくて。
「ことは、おい、起きろ。 」
「…や~、です…。 おそばが、ええです… 」
 身体を揺するも、ことははそのまますーっと寝入ってしまったようだ。
 …どうしたらいいんだ。
 困惑顔の丈瑠は、そう思いながらも結局どうすることもできなくて溜息をついた。
 少し膝の位置が高いのに気付いて胡坐を崩し、空いた足を立て膝に、ことはの頭が乗った方の膝を床につけてできるだけ低い位置にしてやる。
 困るのなら膝からことはを降ろしてしまえばいいものを、『お傍がいい』などと可愛いコトを言われては、眠っていても無碍にできないのは惚れた女のお願いだから。
 ふと気付いて、ことはのスカートから出ているむき出しの目の毒な脚に羽織っていた自分の上着を被せてやる。
「…そんなに俺を信用するなよ…。 」
 口の中でぼそりとつぶやく。
 そんなに信頼しきったカオで眠られては、可愛すぎてナニもできやしない。
 ただでさえそちらの方面には免疫がない、というか未経験な丈瑠だ、こんな時にどうしたらいいのかも思いつかない。
 自分の思考に苦笑しながら、無意識にことはの髪を撫でるその目はとても穏やかで柔らかい。
 気付いているのかいないのか、ことはの寝顔は微笑んでいた。
 動けないのでは仕方がない。 傍らの酒に手を伸ばす。
 もう少し呑んだら、ことはを部屋に連れて行こう。
 …だから、もう少し、このままで。
 自分に言い訳しながら手にした酒を口に運ぼうとして……丈瑠の動きが固まった。
 なんとすれば……。

「…うわぁ……。 なんかすげぇ光景見てる気がする…。 」
「丈ちゃん、やっぱことはちゃんにゃ甘いよなぁ…。 」
「いいじゃない、ことはがあんなに嬉しそうなんだから。 」
「…ことは、羨ましいぞ。 私も殿に膝枕を… 」
「してほしいのかよ。 男だぞ。 」
「いや、したい。 」
「…絶対しねえって。 」

 いつの間にか、さっきまでの大騒ぎが収まっていて、家臣たち全員の視線が自分に集まっていた。
「……!!! 」
 一気に首まで真っ赤に染まった丈瑠が声も出ないほど動揺したのは仕方のないところだ。
 いくら酔っていた上、ことはに神経が集中していたとはいえ、今まで完全に彼らの存在を失念していたのは明らかに丈瑠の失態だ。
 一体ドコから見られていたのだろう。
 まさか、『あーん』 辺りから、全部?
 途端に酔いの冷めた丈瑠は、反射的にここからどう逃げ出そうと算段を始めた。
 いつもならソッコーで自室に逃げ帰るところだが、ことはを膝に乗せたこの状態ではそれもできない。
 そこで、丈瑠は奇跡的に閃いた。
 …そうだ、ことはだ!
 小さな頭をそっと膝から外した丈瑠は、そのままことはを抱き上げた。
 起こさないように気を遣いながらもスカートの裾を気にするのは忘れない。
「部屋に置いてくる。 」
 別に宣言などせずともいいのだが、言い訳するように口にする丈瑠。
「なんだよ丈ちゃん。 いいじゃん、そのままで。 」
「ことはが傍にいたいって言ってるのよ。 家臣のお願い、聞いてあげなさいよ。 」
 逃亡を図ろうとする主君にすかさず源太と茉子がからかうが、丈瑠は無表情を装って歩き出す。
 面白がって千明も言い出した。
「ことは、目が覚めたら寂しがるんじゃね? 」
「…それ以前に覚えていない気がするが。 殿、宜しければ私が代わりま…げほっ 」
「いらん提案すんなよ、ヤボだな。 」
 家臣たちの愛のこもったからかいの言葉を背後に聞きながら、丈瑠は無事奥座敷を出るのに成功した。
 ほっとしたのも束の間、茉子の声が追い討ちをかける。
「30分以上帰ってこなかったら覗きに行くからね。 」
 思わずその場で膝を付きそうな気分になった丈瑠は、ことはの重みでも酔いのせいでもなくよろけそうになりながら ことはの部屋へ歩いていった。
 …俺がどんなコトをすると思ってるんだ、茉子。
 いや、それ以前に俺が寝込みを襲うような男だとでも?
 思わず仏頂面になりながらも、可愛いサンタクロースを部屋へ送り届けた丈瑠がホントにナニもしなかったのかどうかは、丈瑠しか知らない。




 そして次の日の朝。
 千明から送られてきたメール添付の写真に動揺しまくった丈瑠と悲鳴を上げたことはがいた。
 どんな写真かって、それはもちろん。

『幸せそうに眠ることはを膝枕している丈瑠の優しい笑顔。』

 そして、お互いこっそりその写真に保護をかけたのは、内緒の話。





                                        了


43幕の後です。
クリスマス・パーティ in 志葉家。
なにはともあれ、ミニスカサンタのことはちゃんがケーキを殿に、あーんv がしたかった♪
もう絶賛ラブラブモード全開なお2人、なんでこんなんで付き合ってないんだ! なノリでございます。
酔い切れてないためにハンパな理性が働いている丈瑠が傍から見たらユカイなコトになっているのは、多分気付かない方がいい事実。(大笑)
そして、酔っ払ったことはは無敵です♪ (^-^)
ちなみにタイトルは、「酔っ払いサンタクロース」 という意味。(^-^)

MERRY Xmas!

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| | 2009/12/24/Thu 14:56[EDIT]
Re: 『Drunken Santa Claus』の 感想です
>ノリ吉様
キャーっ!て。(笑)
賞賛していただけますか。嬉しいなぁ♪
いや、せっかく殿がキャラデコケーキのCMに登場しているんだから、やっぱみんなで食べるべきでしょう!(大笑)
おそらく彦馬さんが注文する前に、メーカーからCMのお礼に届いたものと思われます。(^-^)
さて、殿のフィギュアの行方やいかに?

凶悪に可愛いことはサンタ、全員が大喜びですが、中でも殿はノックアウトです。(大笑)
写メろうとする殿も愉快ですが、そもそもその行為にいちいち理由をつけちゃう辺りが殿のカワイさというものです♪
そして、酒が入った後半。
もー、イロイロとメーター振り切ってます。(笑)
ドコを取っても甘~い殿こと、これでもかと言わんばかりに詰め込んでますv
そして、そんな2人のオイシイ場面を見逃す家臣たちであるワケがありません♪
ええ、そんな写真、早瀬だって実物見たいですとも!(笑)

書いててもとっても楽しいSSでしたv
ホント、本編もこんなに明るく楽しい展開だったら楽しいのに!
とりあえずお正月挨拶のかくし芸を楽しみに、その後は…?
ホントに楽しんでいただけて、こちらこそありがとうございました♪
早瀬美夜 | URL | 2009/12/25/Fri 15:49[EDIT]
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| | 2009/12/27/Sun 00:27[EDIT]
Re: そんな殿が「大好きだ~!!!」
>teddy様
ほーほほほ!
私も黒子の立場でハタから見ていたいです。
さぞ楽しい光景だったコトと思いますよ、ええ。(大笑)
おおお、ムービーっすか!
結婚式!? 披露宴!? そんなコトすんのか、志葉家の結婚式!!(爆笑)
やったら殿が怒り出すコト勿論ですが、ことはちゃんの方が悲鳴を上げて昏倒しそうですよ。(^-^)
彦馬さん辺りはとっても嬉しそうに見ていそうな気もしますが♪
そんな彼らが、私も大好きだ~!
早瀬美夜 | URL | 2010/01/01/Fri 00:08[EDIT]
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