『侍戦隊シンケンジャー』 の殿×ことはにすっ転んだ早瀬美夜がお送りする、ちょっとじれったい系ほのぼのSSブログです。お気に召しましたら幸いです♪

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「約束 ③」
お待たせしました、『約束③』です。
これにて、爺の企みがすべて暴かれます。(笑)
前回2本はシリアス仕様でしたが、今回は明るく!

では、下へどうぞv
「約 束  ③」


「…どういうことだ? 」
 丈瑠は、眼前の光景の意味が判らなくて、混乱した。
 新婦側の席にいたのは、知っているカオだった。
 筆頭にいた若い男は、昨夏にも会った青年。 花織家総領代理である花織 笙一。
 その後ろにいる2人はその叔父夫婦。
 そして、真正面に座っていた振袖の女性は、誰あろう、花織 ことはだった。
「どうされました、殿。 」
 ぽかんとしている丈瑠に彦馬が声を掛けて、視線が彦馬に移った。
 平然としている彦馬の後ろで流ノ介と千明がにやにやと笑い、茉子が澄ましたカオで丈瑠を面白そうに見ていた。
 それでようやく我に返った丈瑠は、思わず膝立ちになって彦馬に訊いた。
「爺! どういうことだ!? 俺をからかってるのか!? 」
「なにを仰います。 花織家の方々に失礼ですぞ、殿。 落ち着いてくださいませ。 」
「だが! 」
 言いたいことは判るが、アタマが付いて行っていない。
 言葉が続かない丈瑠に、他から声が掛かる。
「殿。 お久しぶりにございます。
此度の結納に際し、若輩ながら私・花織 笙一が花織本家を代表して見届け役に参りました。
どうぞよしなにお計らいくださいませ。 」
 その言葉に振り向いた丈瑠は、爽やかに微笑む笙一を見て言葉を失う。
 そして、ようやく視界に入れたのは、真正面に座っている少女。
 ことはは嬉しそうに、でも少し恥ずかしさを滲ませたはにかんだ笑顔で丈瑠を見つめていた。
 その笑顔を見て、丈瑠はようやくコレが事実なのだということに納得した。 …せざるを得なかった。
「すまないが笙一、それから花織のお二方。 少し席を外してくれ。 爺に話がある。 」
 ようやく言った丈瑠に、おそらく予想していたのだろう、3人は1度頭を下げてから部屋を退出していった。
 途端に、計ったかのように千明が爆笑し、流ノ介と茉子も可笑しそうに笑い出す。
 笑われたことで彼らも知っていたことを察し、丈瑠は思わず喚いた。
「おまえら、いつから知ってたんだ! 」
「昨日の晩メシの後、丈瑠とことはが部屋を出てっちまってから爺ちゃんに聞かされたんだよ。 」
「今朝の朝食の時、笑い出さないようにするのが大変だったわよ。 」
「申し訳ございません、殿。 口止めされていたため、止む無く! 」
「うちは、その、ついさっき…お父はんとお母はんが来てから聞かされて…。 」
 今の今まで自分だけが知らなかったという状況に、丈瑠は不機嫌丸出しなカオだ。
 喜びよりもまず、彦馬に文句を言わずにはいられない。
「爺、俺は今日の結納の相手がことはなんて聴いてないぞ。 」
「お聞きになりませんでしたからな。 」
「わざとだろう。 」
「なにを仰います。 爺は言うつもりでおりましたぞ。
殿がどこの誰だろうと知ったことではないとお聞きにならなかったのではないですか。 」
「揚げ足を取るな! 」
 楽しそうな家臣たちのカオが見えて、腹立ちまぎれに思わず声が大きくなる。
「どうせ俺とことはのこと、とうに知ってたんだろう!? 」
「もちろんでございますとも。
殿はこの爺には、昔から隠し事が下手でございましたからな。 」
 明らかに面白がっている彦馬に、丈瑠は憮然とする。
「志葉の家に支障が出るとかなんとかいうのはなんだったんだ。 」
「間違った事は言っておりませんぞ。
花織家は侍の家としても猿折神を護る家としても志葉家にとって大切な存在。 こちらから持ちかけた縁談を殿がお断りになって、支障がないわけがございますまい。 」
「じゃ、夕べ言っていた志葉家の嫁の条件云々は一体なんだったんだ! 」
「はて、なにか間違ったことを申しましたかな?
心より殿をお支えし殿に尽くし、黒子たちをまとめ、それ相応の礼儀や行儀作法が身に付いている女性と申しました筈。
殿と同じように、爺もこの1年間ずっとことはの事はよく見ておりました。
立ち居振る舞いや所作、礼儀などは既にすっかり身に付いておりますし、心より殿をお慕いし、また黒子たちにも慕われております。
志葉の嫁として、殿の奥方として、ことはならどちらもしっかり勤まりましょう。 」
「…爺…。 」
 言葉の出なくなった丈瑠に、彦馬はうなずいた。
「ことはなら申し分ありますまい。
まだ少々若くはありますが、なにより殿が初めて心より望まれた女性。
これ以上の縁談はございません。 」
 にっこりと好々爺の笑みを浮かべた彦馬に、丈瑠は胸が熱くなる。
 ちゃんと判っていてくれたことに。
 決して無理矢理丈瑠の意に染まぬことを押し付けようとしていたわけではなかったことに。
 彦馬が丈瑠の意思をまったく尊重しない、納得させないなどというコトは今まで1度もなかったのに、どうして彦馬のすることに疑問と不満を持ってしまったのか。
 自分の家族と離れてでも自分と共にいてくれた育ての親と言える人を、誰よりずっと傍にいてくれた、誰より自分の心の内を知っている人の気持ちをもう少しで踏みにじっていたかもしれないことに、丈瑠は心から申し訳なく思う。
「…爺…その、…すまない。 」
「爺は、なにより殿の幸せと志葉家の安泰を心より願っておりますと申し上げましたぞ。 」
 そんな丈瑠の心の内すらも総てを判っているのだろう彦馬の笑みは温かい。
 安堵の微笑みを返した丈瑠に、彦馬は楽しそうに言った。
「いや、それにしても、夕べの殿の勢いは、さすがに爺も少々驚きました。
たとえ志葉の家が揺らいでもことは以外は娶らないと申された。 以前の殿なら思いもしないお言葉でしたな。 」
 ことはが驚いて瞠目し、頬を染める。
「…っ、爺っ! 」
 家臣たちに、おお、と驚かれ、千明に口笛でピューッと囃し立てられて、丈瑠が照れくさくなって声を上げた。
 だが、彦馬は楽しげに続けた。
「実は大殿も、同じことを仰いました。 」
「…父さんが? 」
 彦馬はうなずいた。
「大殿は殿がご存知の通り、その時にまとまり掛けていた縁談をお断りになられた上で殿のお母上、御方様を娶られましたからな。
大殿は夕べの殿と丸々同じことを申されて、周りのご親戚中からの反対を押し切って御方様を望まれ、結ばれました。
殿を大殿に重ねることがあろうとは、いや、懐かしゅうございました。
まこと、冷静にみえて、志葉の男は情熱的でございますな。 」
 真っ赤になった丈瑠に楽しそうに微笑みかけながら、彦馬は遠い昔、20年以上も前のことを思い出す。


『俺は志葉を、たかが結婚を断ったことくらいで揺らぐような弱い家にした覚えはない。 万一揺らいだとしても、俺は後悔などしない。 あいつ以外の女を娶る気はない。
判ったら俺の味方をしろ、彦馬。 』
 そう言って彦馬に笑いかけたその笑顔は、今はもう思い出の中にしかない。
 それでも、息子が同じような女の愛し方をしていると知ったら、あの方はさぞ面白そうに笑うに違いない。
『あいつも不器用で難儀なヤツに育ったな。 』
 そう言いながら、それでも己の心に嘘をつけなくなった息子を愛しく思い、ことはに感謝するのだろう。
 頑なだった心を優しく包んでくれた、ようやく心の拠り所を丈瑠に与えてくれたことを。
 かつて自分が無理と我を押し通してでも得たかった女性を見つけたように。
 その思いは、彦馬だけが知っている。
 …彦馬だけしか、もう知らない。


「さて、殿。 」
 彦馬は改めて言った。
「それでこの縁談、夕べお断りになられると言われましたが、どうされますかな? 」
「爺、意地が悪いぞ! 」
 丈瑠の言葉に彦馬は面白そうに笑った。
 それからことはに目をやる。
「ことは、改めて訊いておく。
殿の奥方として、正式に志葉に入る心積もりはあるな? 」
 ことはは、丈瑠を1度見遣ると、真剣な瞳で、しかし抑え切れない嬉しさを滲ませながらうなずいた。
「はい。 どうぞよろしゅうお頼み申し上げます。
うち、がんばります。 」
 深々と頭を下げたことはに嬉しげな優しい笑みを向けた丈瑠は、周りがにやにやと笑っているのに気付いて慌てて表情を難しく取り繕うと言った。
「花織の方々を呼んでくれ。 結納式の続きを執り行う。 」
 部屋の隅にいた黒子が一礼して部屋を出て行った。
 そして、志葉家と花織家の結納式が、ようやく始まったのだった。




                               ④へ続く

というワケで、実は全部爺の手の内でしたとさ。(大笑)
いかがでしたでしょうか、皆様の予想は合ってましたか?
早瀬がことはちゃんをこれ以上泣かすワケないじゃん♪ と言いつつ、丈瑠にはちょいと恥かしい思いをしていただきました。(^-^)
いいじゃん、幸せなんだしv とにこやかに言って、殿様にシンケンマルにて開きにされたいと思います。(笑)
とりあえず無事に結納と相成りましたが、もう1本だけ続きます。
もう少しだけお付き合いくださいませ。 m(_ _)m

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| | 2009/12/04/Fri 16:16[EDIT]
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| | 2009/12/06/Sun 07:02[EDIT]
Re: 感想の感想ぉと『約束③』の 感想です
>ノリ吉様
こんにちはv
いつもありがとうございます♪
39話は、後半に向けてのシリアスモードへ転換、一体どうなることやらという感じでしたね。
赤桃ではなく、たまたま殿と組んだ茉子の役回りがあんなんやった、というカンジ。
そして殿! またムズかしいヒトに戻ってしまいました。(苦笑)
実はまだ40話を見ていないのですが、ことはが殿を癒せるのか、少しでも丈瑠の心が浮上できるのか、その辺を楽しみにしながら……なかなか見られない~。(泣)

で、③の感想もありがとうございますv
殿と爺は、本当にお互いを思いやっていると思います。
殿は実の親のように、爺は大殿の忘れ形見であると同時に大切に育てた息子のように。
「志葉」という家のコトを考えないわけにはいかないけど、なにより丈瑠が望んだ想いを大切にしてあげたい彦馬さんと、ことはを諦める気はないこととは別に、爺の気持ちを蔑ろにもしたくない、判って欲しい丈瑠。
ちょっと羨ましい、本当に良い関係だと思います。
感動していただけて嬉しいvv
そう、志葉の男はきっと、とっても情熱的なのですvv (≧∇≦)/

そして、笙一さん!
腹黒さがお気に入りの理由というのに爆笑したのはワタシです。(^-^)
黒過ぎず、しかし天然とは縁のない辺り、時期当主というのにはぴったりではないかと。
花織家は安泰です。(笑)
そしてたぶん、次の花織の侍は笙一さんの子供か孫か、というところでしょうかね。
『ことは輿入れ計画』が目論見通り無事成し得て、花織で1番喜んでいるのは実は彼かもしれません。(大笑)

④もアップしました。
またのご感想をお待ちしておりますvv
早瀬美夜 | URL | 2009/12/08/Tue 15:33[EDIT]
Re: 志葉ことはになるんですね♪
>れっどすねーく様
こちらでは初めましてv
先日はメールもありがとうございましたv

そうです、彼女は無事、「志葉ことは」になるんですvv
みんなにハメられ、イジメられている殿様ですが、愛のあるからかいですからどうかご勘弁♪
むしろそんなふうに遊ばれるほど殿様が柔らかくなったコト自体がいいとこだと思います、とかなんとかかんとか。
…殿様に怒られそう? (笑)
でも爺だったら許してもらえると思います。
粋、なんて素敵な表現ありがとうございますvv

またぜひおいでいただけたらと思います。m(_ _)m
早瀬美夜 | URL | 2009/12/08/Tue 15:35[EDIT]
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