『侍戦隊シンケンジャー』 の殿×ことはにすっ転んだ早瀬美夜がお送りする、ちょっとじれったい系ほのぼのSSブログです。お気に召しましたら幸いです♪

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「約束」
すみませーん、SS、また2週間も間が開いてしまいましたー。 m(_ _)m
今回は、またちょっとシリアスに参ろうかと思います。
そしてまた続き物です。
予定では3回…のつもり。 (もしかしたら4回になるかも。)
初めての未来モノ。
時間軸としては、拙宅の初SS、『告白』の続きというコトになっています。
まあ、読まなくとも判ると思いますが。(笑)

ではでは、下へどうぞ。

約 束  ①


 戦いは終わった。
 侍達は、必死の戦いの果てに、とうとう血祭ドウコクを討ち果たした。
 それぞれが深く傷付きながらも、それでもなんとか1人として欠けることなく今まで過去の侍達が成し得なかった、『封印』 ではなく 『消滅』 という偉業を成す事でこの戦いを終えたことは、彼らに大きな安堵と達成感をもたらした。
 幹部連も総て討ち果たした。
 残党がいないわけではないが、頭目を失った小物達を統率できるだけの力量を持ったアヤカシも今の所現れていない。
 ということは、三途の川からの通路を開けられるような者もいないということだ。
 三途の川は人々の負の感情の行き着く先、無くなることはないだろうが、またこのような戦いが起きるのはおそらく当分先のこととなるだろうと思われた。


 そう、戦いは終わったのだ。





 あれから既に1ヶ月が過ぎようとしていた。
 戦いが終わったら実家へ戻ろうと言っていた彼らだが、あまりにも戦いの傷跡が酷い彼らをそのまま帰すわけにはいかないと丈瑠と彦馬が言い、少なくとも完治するまでは結局志葉家に居つくことになった侍達である。
 重傷を負った者もようやく起き上がれるようになり、包帯だらけの痛々しい姿ながらも皆がカオを合わせて食事をできるほどには回復してきたある日のことだった。
 夕食の後、黒子が膳を片付けるのを待ってから彦馬が皆を見回して言った。
「皆、そのままで聴いてくれ。 」
 久し振りの彦馬の真面目な顔に、一同は顔を上げた。
「なんだよ、爺ちゃん、改まって。 」
「改まった話だ。 ちゃんと聴け、千明。 」
 言われて丈瑠が怪訝なカオをする。 そんな改まった話は自分も聴いていない。
 自分に注目が集まったのを確認してから、彦馬はおもむろに言った。

「明日、殿の結納式を執り行う。 おまえ達も殿の家臣として、全員正装して出席するように。 」

 一瞬、ナニを言われたのか判らなくて静まり返った奥座敷は、一呼吸置いてから一変した。
「ええええぇぇっっ!! ナンだよそれ!! 」
「いつの間にそんな話が!? 」
「殿! 水臭いです! なぜ我々にお話してくださらなかったのですか! 」
 千明は彦馬に訊き返し、茉子と流ノ介は丈瑠に詰め寄る。
 それに構わず、丈瑠は血相を変えて怒鳴った。
「爺!! なんだそれは!! 」
 その言葉に、一斉に侍達は丈瑠を見た。
 茉子が代表して不審そうに訊く。
「…丈瑠、知らなかったの? 」
「初耳だ! 爺、俺の知らない間に、なに勝手に決めてるんだ! 」
 だが、彦馬は丈瑠の怒りも予想済みなのだろう。 まったく表情を変えず平然と言った。
「殿が臥せっておられましたので、この爺が総て段取りは済ませました。
先方も乗り気で、志葉の殿に嫁にもらっていただけるのならとそれは喜んで…」
「そんなことは聴いてない!! 」
 立ち上がって彦馬の正面に立った丈瑠にも、彦馬は顔色1つ変えない。
「では、なにをお聞きになりたいのですかな。 」
「俺の結婚を俺が知らない間に勝手に決めるというのはどういうことだと言っているんだ!
それも明日が結納だと!? いきなりにも程があるだろう!
相手がどこの誰だろうと知ったことじゃない! いくら爺でも勝手が過ぎる! 」
「これは異なことを。 以前殿がご自分で申されたことです。」
「俺が? 」
「はい。 爺は、殿がご成人あそばしてから、志葉家18代目当主として御身に万一のことが起きる前にと、少しでも早く嫁を、跡継ぎをと再三殿に申し上げて参りました。
ですが殿は、爺の言葉を一向にお聞き入れにならず、戦いが終わってからの一点張り。 まあ殿が戦いを重きに置かれるのは仕方ないと、爺も静観しておりました。
しかし、一先ず無事戦いも終わりました。 なれば、これ以上殿のご結婚を遅らせる理由がありましょうや。 」
「戦いが終わったんだから、それこそもうそんなに跡継ぎを急ぐ理由もないだろう! 」
「なにを仰います。 殿のご身分を考えれば、早い方がいいに決まっております。
先代は、殿の年にはもう御方様とご婚約しておられましたぞ。 」
「それくらい知っている!
だが父さんと母さんは恋愛結婚だろう! 俺には自分で選ぶ余地もないっていうのか!? 」
「大殿は、殿と違ってご自分の結婚に前向きでいらっしゃいました。
殿のように、後だ、今は興味がないと逃げたりなさらず、ご自分のお立場をきちんと考えて、戦いの最中でも御方様を娶られ、殿を儲けられました。
殿がそのようにしかと前向きにお考え下さっていれば、爺もこのようなお節介なまねなどせずともよかったのですがな。 」
「別に逃げていたわけじゃない!
それに、だからって一昔前じゃあるまいし、どこの誰とも知らない女といきなり明日結納だと言われて、はいそうですかと聴くヤツがどこにいる!? 」
「おや、殿は爺の、志葉家の嫁を選ぶ目を信用して下さらぬのですかな。 」
「そういう問題じゃないだろう! 」
 これだけ彦馬に食って掛かる丈瑠も珍しい。
 侍達は、口も挟めずはらはらしながら見守るしかできない。
 と、その中からふらりと1人が離れて行くのを、茉子が気付いて声を掛けた。
「…ことは? 」
 その声に、丈瑠ははっとして振り向いた。
 びくりとして足を止めたことはは、ゆっくりと振り向くとぎこちない笑顔を作った。
 そういえば、これだけ皆が騒いでいる中で一言も発していなかったことはの顔は、血の気が引いて紙のように白い。
「…殿様、ご婚約、おめでとぉございます…。 」
 語尾が揺れて、ことはは慌てて部屋を出て行った。
「ことは、待てっ。 」
 追いかけようとする丈瑠の腕を、彦馬が捕まえた。
「殿、よいですな。 今更日程の変更はできませんぞ。 」
「そんなもの知るか! 俺は認めない! 」
 腕を振ると彦馬はあっさりと手を離し、丈瑠はことはを追って部屋を走り出ていった。
 ぽかんと見送る後に残った侍たちは、我に返ると彦馬に言った。
「爺ちゃん、いくらなんでも強引すぎねえ? 」
「彦馬さん、丈瑠とことはのこと、知らないわけじゃないんでしょう? 」
「あれではあまりにことはが可哀想ではありませんか! 」
 口々に言う若者達に、やはり彦馬は平然と言った。
「いつまでもこの爺に内緒にしておる殿がお悪い。
ことはには可哀想なことをしたが、これも総て殿の御為、志葉家の為。
儂の計略に乗ってもらう。 」
「「「…計略? 」」」
 侍達は、カオを見合わせた。



 ことはを追いかけて部屋を出た丈瑠は、ことはの部屋へ向かい、いないのを確認すると庭に出た。
 志葉家の庭は広い。
 灯りはあるが、さすがに昼間の様というわけには行かない。
 そこかしこにいる黒子にことはを見なかったか訊きながらようやく辿り着いたのは、最近はあまり丈瑠も来た事のない隅の方の庭石の影だった。
 座り込んでいることはの姿を見つけて安堵の息をついた丈瑠は、背後から声を掛けた。
「ことは、探したぞ。 」
 びくんと肩を揺らしたことはは、目の辺りをごしごしと擦る仕草をしている。
「…殿様…… 」
 丈瑠はことはに近付いて、その隣に座った。
「すまない、驚かせて。 …泣いていたのか。 」
 赤くなっている目の下の辺りを指で触れる。
 ことはは、再びぎこちない笑みを浮かべた。
「ごめんなさい、殿様、心配掛けて。 …あの、うち、大丈夫ですから。 」
 触れる丈瑠の指先を手で押さえて外したことはの仕草に、丈瑠は不自然さを感じた。
「…ことは? 」
「もう平気やから。 うち、がんばって諦めますから。 」
「……なんの話だ。 」
「だから、殿様は明日、どっかのお嬢様と結納しはるんでしょう? 」
「…なに言ってる。 」
 丈瑠は思わず、ことはの両肩を捕まえた。
 強張った笑顔を無理に顔に貼り付けて、ことはは泣きそうな笑顔で言った。
「やっぱりうちになんか、殿様は高嶺の花やったんですね。
えへへ、うち阿呆やから、ホントに殿様のお傍にずっといられるって思っちゃって。 」
「いればいい、おまえが遠慮することなんかない。 」
「でも、彦馬さんが探してきたお嫁さんやもん、うちなんかとても太刀打ちでけへんくらい綺麗で素敵なお嬢様に決まってますし。 」
「俺は認めてない! 」
「でも…っ! 」
 なにか言おうとしたことはは、最後まで喋らせてもらえなかった。
 丈瑠がことはを抱き締めていた。
「俺は、おまえしかいらない。 」
 耳元で紡がれた言葉に一瞬息が止まりそうになることはの顔を、丈瑠は覗き込むように見た。
「1か月前の、最後の戦いの前にそう言ったはずだ。
おまえに一生傍にいて欲しい、俺と結婚して欲しいと。
そして、おまえはそれにうなずいてくれた。
だから、俺はずっとそのつもりだったし今もその気持ちは変わっていない。
それなのに、おまえは違うのか?
俺たちの約束は、爺の勝手な行動で反故になるような安易なものだったのか? 」
 真剣な瞳に射抜かれて、ことはは途惑うように目をそらした。
「…うちだって、殿様のお傍にいたいです…。
…でも、彦馬さんは… 」
「明日、爺が連れて来る女がどんなヤツかは知らないし、聞く気もない。
どんな佳い女だろうがどこの良家のお嬢様だろうが、俺にとってはそんなものどうだっていい。
結婚するのは俺だ。 その俺がことはがいいと言ってるんだ、なにが悪い? 」
 優しく問われてことはが顔を上げると、声の通り優しい微笑みの丈瑠がいた。
「…殿様、ちょっと強引です。 」
「昔から殿様はワガママで強引と相場が決まっているだろう。 」
 いたずらっぽく笑うと、ことはもようやく微笑んだ。
「安心しろ、ことは。 おまえはなにも心配しなくていい。
爺は俺がなんとかする。
いざとなれば、明日直接相手に断りを入れれば済むことだ。
…本当は戦いが終わったらすぐおまえとのことを爺に話すつもりだった。
だが、皆揃ってこんな大怪我になろうとは思っていなかったから、落ち着くまでと思っていたら言いそびれてしまった。
すまない、おまえをこんなことで悲しませるつもりはなかった。 」
「判ってます。 」
 微笑むことはに、丈瑠は言った。
「ことは、まだ俺のことを好きだと言ってくれるか? 」
「もちろんです! 殿様のこと、一度だって嫌いやなんて思ったコトないです! 」
「ちゃんと言ってくれ。 」
「っ……、す、好き、です、殿様。 」
 丈瑠は嬉しそうに顔を綻ばせた。
「ことは。 」
「…はい? 」
「愛してる。 」
 真っ赤に染まったことはに甘い笑みを向けて、丈瑠はその花のような唇に口付けた。





                                         ②へ続く


はい、婚約話です。
丈瑠VS爺の戦いやいかに。 (笑)
今回やたら台詞が多いですが、ご勘弁ください。
そして、ごめんよー、ことはちゃん泣かせちゃったよー。 (ノ_・。)
殿をいぢめるのはなんの苦もないんだけど (ヒドイ)。
でも、ラストで珍しく直接的に甘ーい殿v
ことはちゃんを泣かせたお詫びを殿にしてもらいました♪

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