『侍戦隊シンケンジャー』 の殿×ことはにすっ転んだ早瀬美夜がお送りする、ちょっとじれったい系ほのぼのSSブログです。お気に召しましたら幸いです♪

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「TRICK! TRICK!」
今更ながら、ハロウィンネタです。
実は、『ala』 のみつかん様のハロウィン作品の更にパロディになります。
ありがたくもぜひというお言葉を戴いたので、つい調子こいてマジで書いてしまいました。
あーんなに可愛らしいお話をココまで崩して申し訳ございませーん!
みつかん様、お願い、怒らないでーvv
一応単品でも判るように書いておりますが、ぜひ、『ala』の方へもお運びになり、元のお話も御覧いただければと思います。

では、下へどうぞ。
TRICK! TRICK!


 家主の許可もそこそこに突然始まったハロウィンパーティは、盛況を極めていた。
 実はハロウィンパーティなどというものをしたことがあるのは幼稚園に勤めていた茉子くらいのものである。
 彦馬が近所の農家からおすそ分けにカボチャをたくさんいただいたというとこで突然やろうということになったらしい。
 ジャック・オ・ランタンがいくつも置いてあり、志葉家には珍しく夕食の料理も洋風だ。
 部屋中のそれっぽい装飾は茉子の指示で、率先して実行したのは意外と多方面に器用な千明だろうが、結構ノリ易い流ノ介も嬉々として手伝ったに違いない。
 どうして日本で妖怪の元と戦っている侍が、ケルトの精霊や魔女信仰に関するいわばお盆でお祭り騒ぎをしたいのかと思わないでもないが、実際の所は、ただ単にハロウィンに乗じて騒ぎたいだけだと判っている。
 しょっちゅうは適わないが、たまにはこうやって騒ぎたいのも判らないではない。
 元々莫迦騒ぎをしたいタイプではないが、たまに付き合うくらいは構わないと思うくらいには最近軟化してきた丈瑠である。
 しかし、純和風な我が家でこんな光景が繰り広げられているのは今まで経験がない。
 不思議な気分で食事をしながら、丈瑠は黒子に作ってもらったらしいカボチャ型のパンプキンケーキを嬉しげにつついている女性陣に目をやった。
 美味しそうにカボチャ色のケーキを頬張っては、美味しいなぁ茉子ちゃん、と嬉しそうに笑っている少女に目をやり、…その唇に目が行った途端、丈瑠は思わず動揺する。


 昼間、ことはに言われた。
「Trick or treat?」
 皆がパーティの用意に勤しんでいる間、自室の前まで追いかけてきたことはに可愛らしく訊かれた丈瑠は、苦笑した。
「参ったな、今お菓子は持ってない。 」
 ことはが望むならお菓子くらいいくらでもやりたいところだが、生憎丈瑠は普段から飴の1つも持ち歩くようなことはない。
「ですよね! ちょっと言ってみたかっただけやし、気にせんといてください! 」
 それくらいはことはも判っているのだろうがやはりちょっと残念だったらしい表情を見て、丈瑠は言った。
「お菓子がなかったら悪戯だろ? してもいいぞ? 」
 きょとんとしたことはは言われた意味に気付いて散々遠慮したが、一応自分が持ちかけた話である。
 構わないという丈瑠の笑顔に押されて、ことははふと自分の思いついた 『悪戯』 を実行した。
 目を閉じて屈んでくれというリクエストに、ことはがナニをしてくれるのだろうと内心楽しみだった丈瑠は、思わず息を呑んだ。
「…っ!」
 頬に触れた柔らかく暖かな感触がナニが判らないほど丈瑠は子供ではない。
 丈瑠が目を開く前にあっという間に逃げ出したことはの背中を半ば呆然と見送った丈瑠は、我に返ってからじわじわとカオが火照るのを自覚しないわけには行かなかった。
「……それは悪戯にならないだろう。 」
 頬に手を当てながらぼそりとつぶやいた丈瑠は、次にことはに会ったらどんなカオをすりゃいいんだと思いながらもその口元が緩むのを止められなかった。


「…ナニよ、丈瑠。 私たちの方見てにやにやと。 ヒトがケーキ食べてるの、そんなに楽しい? 」
 茉子に言われてはっと我に返った丈瑠は、慌ててカオを引き締める。
「い、いや。 そんなつもりはない。 その、美味そうに喰うなと思っただけで…。 」
 苦しい言い訳だが、ことはが恥ずかしそうにカオをそむけるのにバツが悪くなって仏頂面になる。
 さすがにことはも自分がやったコトとはいえ気恥ずかしいらしい。
「なんだよ、珍しいな。 丈瑠もケーキ食いたいのか? ほい。 」
 幼稚園児よろしく紙で作ったお化けのお面を頭に乗っけた千明に手のひらサイズのケーキを差し出されてとりあえず受け取った丈瑠だが、実際ケーキが食べたかったワケではないのでそのまま膳の上に置いてしまう。
 だいたいこれだけ部屋中にカボチャが置いてあるのに、更にカボチャ型のケーキなど、あまりに視覚的にくどくて敵わない。 
 それでも茉子の意味ありげな視線から逃げるため、手近なカップのスープを口に運んだ。 飲んでから気付く。 コレもカボチャだ。
「そういえば、ことは。 」
「んー? なに、茉子ちゃん。 」
「昼間、丈瑠に 『イタズラかお菓子』 、言ってくるって言ってたじゃない。 どうなったの? 」
 思わず丈瑠がパンプキンスープを吹き出しそうになってむせた。
「えっ! …っと、あ、あの、んと…。 」
「って、丈瑠がお菓子なんか持ち歩いてるワケないもんね。 イタズラ、ちゃんとさせてもらった? 」
 真っ赤になってあわあわとごまかそうとすることはだが、平然と看破されて更にその頬が染まる。
「なに!? 丈瑠、ことはにイタズラされたのか!? おもしれー、ナニされたんだよ? 」
「ことは! 殿にイタズラだと! なんです、一体どんなコトを! 」
 途端に千明と流ノ介に詰め寄られ、丈瑠はカップを戻して口元を拭きながら不機嫌を装って言った。
 もちろんそんなコト、言えるワケがない。
「………詮索無用だ! 」
「ナンだよー、そー言われっと余計気になるだろ? 」
「うるさい。 」
 食い下がる千明に丈瑠が睨みつけるが、どことなく羞恥を感じられて千明はますます面白そうなカオ。
「なー、ことは。 ナニしたんだよ? 」
 振り返って今度はことはに訊く千明だが、ことはは真っ赤になってうつむいている。
「な、ナイショ! 殿様と2人だけのナイショやもん! 」
 かろうじてそれだけ言うことはに、茉子がナニかを察してにやにやしている。
 が、そこにちょっとズレた叫び声が飛び込んだ。
「殿と2人だけのナイショ事…! うらやましいぞ、ことは! 」
 ミョーに力の入っている流ノ介が握り拳で喚くのを、千明と茉子が呆れた視線で見やった。
「…はあ? 」
 だがソレに構わず、憮然としている丈瑠に向かって流ノ介は爽やかな笑顔で宣言した。
「殿! とりっく おあ とりーとです! 」
 ナゼか思い切り平仮名口調で言う流ノ介に、丈瑠は無言で目の前のケーキの皿を差し出した。
 だが、流ノ介は首を振る。
「いえ、殿! 私、お菓子は要りません! 悪戯の方をお願いしたいのです! 」
「…それじゃ、Trick or treat じゃねーじゃんか。 」
 背後の千明のツッコミも無視して流ノ介は丈瑠に近寄る。
「イヤだ。 」
「殿ぉ~、そんなコト仰らずに! 」
 仏頂面で冷たく返す丈瑠に流ノ介がにじり寄り、不穏な空気を察した給仕の黒子が、さっと丈瑠の膳を引き寄せた。
 ナニをしたいのかどんどん寄ってくる流ノ介に堪らず、丈瑠はおもむろにショドウフォンを出して右手を一閃、シンケンマルを構える。
「…それ以上、寄るな。 」
「殿おぉぉ~! そんなつれない! 」
「うるさい! 命令だ、流ノ介! 」
「では、どーしてことはならいいんですか! ズルいです!」
「俺は男にくっつかれて喜ぶ趣味はない! 」
「私は単に、殿とナイショ事がしたいだけなのです! 」
「ソレがイヤだというんだ! 」
「殿は私がおキライですか! 」
「そういうイミで好きだと言ったコトなど金輪際一切ない!! 」
 ミョーな方向に流れ出した会話に動揺した丈瑠の隙を突いて、流ノ介が丈瑠に飛びつこうとした。
「殿、失礼します! 」
 不意を付かれて思わず容赦なく振るった丈瑠の刃をひらりとかわして、流ノ介が丈瑠と対峙する。
「…腕を上げたな、流ノ介。 」
「私も日々、鍛えております。 それより殿、どうぞ素直に悪戯されてください。 」
「意地でもイヤだ。 」
 最早、既にナゼこんなコトになっているのか判らない。
 殺気とも違う異様な気迫の2人は、そのままの体勢で睨み合った。
 流ノ介が再び飛びかかろうと構え、丈瑠がぐっとシンケンマルを握り直したその瞬間。

 ぱん、ぱぁん!
「ハッピーハローウィーンっっ♪ 」
「らっしゃい! てやんでぇ! めでてぇぜ! 」
 突然のクラッカーの破裂音と共に、賑やかな声が飛び込んできた。
 不意の騒音に緊張が解かれて一同が振り向けば、そこにはわざわざオバケの衣装を着た源太と、魔女の三角帽子を被ったダイゴヨウがいた。 針金でくっつけられたらしい豆電球の灯りは、もしかしてウィル・オ・ザ・ウィスプのつもりだろうか。
「お招きありがとよーっ♪ …って、ナニやってんだ、たけちゃんと流ノ介? 」
「ケンカはいけねぇぜ、殿様と流の字! 」
 ひゅーんと2人の間に飛んで割って入ってきた人魂付き魔女に毒気を抜かれて刀を握る手を緩めた丈瑠だが、それを流ノ介は見逃さなかった。
 丈瑠を捕まえようと踏み出した時、ようやく茉子が間に入る。
「いい加減にしなさい、流ノ介。 」
「どけ、茉子。 私は殿に! 」
 喚いた瞬間、開いた口にナニかが突っ込まれた。
「ったく、しつこいわね。 コレでも食べて我慢しなさい。 」
 いきなりでむせそうになっている流ノ介に、茉子はにっこりと笑った。
「Trick or treat、でしょ。 私の特製手作りクッキーをあげるから、諦めて悪戯はひっこめなさい。 」
 お菓子が入っているらしい小さな籠を見せた茉子の笑顔を、男性陣は思わず血の引く思いで見た。
 流ノ介が目を白黒して悶絶しているのは、果たしてクッキーの味か、喉に詰まって苦しいのか。
 さすがに気の毒そうに家臣を見下ろしている丈瑠だが、彼がしようとしていたコトを止めてくれたのだからむしろ感謝すべきか迷うところだ。
「わぁ、さすが茉子ちゃん、お菓子用意しててくれたんやぁ。 うち、茉子ちゃんにも言えばよかった。 」
 無邪気に言っていることはに茉子は微笑んだ。
「誰かが言って来たらあげようと思って作っておいたのに、誰も言ってくれないんだもの。 」
「ごめんなー、気付かれへんくって。 」
「…うお、俺言わなくてよかったー…。 命拾いしたー。 」
「ナニか言った? 千明。 」
「いーえ、なんにも言ってません! 」
 じろりと睨まれて慌てて否定する千明を笑いながら、ことはは改めて茉子に言った。
「茉子ちゃん、Trick or treat? 」
「はい、お菓子をどうぞ。
くり抜いたカボチャがいっぱいあったから、パンプキンクッキーを作ってみたの。 」
「わぁ、美味しそうやわー。 」
 笑顔で口に入れたことはは、ん、美味し、と笑っている。
 嬉しそうに笑った茉子は、丈瑠にも向き直った。
 ぎくりとした丈瑠に籠を差し出す。
「丈瑠も食べてよ、せっかくだから。 」
「………ああ。 」
 渡されたクッキーは、チョコクッキーなのかと思うほどに黒かった。
 …カボチャはどこに? とは、訊いてはいけない質問なのだろう。
 悪戯の方が余程マシかもしれない、と思いながら、丈瑠は意を決してクッキーを口に運んだ。





                                                 了
                                                 

今更ながら、ハロウィンネタです。
実は、元ネタは『ala』 のみつかん様のハロウィン作品。
回想シーンの、殿ことの頬ちゅーという可愛らしいシチュがみつかん様の作品です。
ぜひ1度、そちらを御覧になっていただければと思います。
オロカモノの早瀬が、ソレを知った流ノ介が丈瑠に迫ってきて、殿がシンケンマルで対抗してたら楽しそう♪ とか阿呆なコトを言いましたら、ぜひ書いてくださいと言われてしまい、調子に乗って書いてしまいました。
せっかくの可愛い赤黄SSがこんなコメディになってしまったのは、ひとえに流ノ介のせいでございます。
そしてやはり、この騒ぎを収めることができるのは最強の名高き茉子ちゃん以外にはありえないと思います。 (大笑)

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| | 2009/11/12/Thu 15:36[EDIT]
Re: いつもありがとうございますvv
ノリ吉様v
いつもありがとうございますv
みつかん様のSSも既読というコトで、詳細もよくお判りかと思います。
……す、すみません、あんな可愛らしいお話をこんなギャグに!
に、にやけていただけました? それなら、ま、いいか。(アバウト)
2人だけの思い出を一生懸命ごまかして口を割らない丈瑠とことは、カワイイですv
そりゃ必死に黙りますよ♪(^-^)
そして流。 ええ、私も大好きです。(大笑)
真面目にしてれば二枚目なのに。カッコイイのに。なんでこんなユカイな役回りに。
すまない、流ノ介。(殿様調に)

はははは~、SSS、ウケた!
お、王子……!!(爆笑)
ええ、殿は実は、むっつりだったら楽しすぎです♪
早瀬美夜 | URL | 2009/11/15/Sun 01:17[EDIT]
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