『侍戦隊シンケンジャー』 の殿×ことはにすっ転んだ早瀬美夜がお送りする、ちょっとじれったい系ほのぼのSSブログです。お気に召しましたら幸いです♪

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「靴」
以前、シンケンサイトの『ala』・みつかん様が書かれたとあるSSネタを、早瀬も書いて欲しいと要望されたもので、ちょっと思いついたものを書いてみました。
拙宅のSSとしてもちょっとシリアスな続き物が続いたので、少しだけ閑話休題的な小噺です。
でも、ちゃんと赤黄。(^-^)
では、どうぞvv



「…あっ…! 」
 不意に少し後ろから声が聞こえて、ほんの少し前を歩いていた丈瑠は思わず振り返った。
 だが、すぐ後ろにいるはずのことはの姿はなく、一瞬丈瑠は身構えた。
 すわアヤカシの仕業か、と思いきや、ふと視線を下にずらせば、そこにうずくまったことはを見つけて安堵する。
「どうした? 」
 問われて顔を上げたことはの困り顔に足元を見て、丈瑠は納得する。
 ことはの履いているスニーカーの紐が見事に切れていた。
 最近よく履いているカラフルなスニーカーで、戦闘の時にも何度か履いていたことがあったからだろうか、汚れてはいないが少々傷みが過ぎたらしい。
「あー、この靴気に入っとったのに~。 どっかで同じ靴紐買えるやろか。 」
 ことはの靴紐はあまり見かけない辛子色に朱色の斑入りの丸紐で、果たして同じものが売っているかどうかは丈瑠にも判りかねた。
「この靴を買った店に行けば手に入らないのか? 」
「あー、判らへんです。 元々実家の近くの靴屋さんのバーゲンで買ったやつやし。 」
 他地方の、しかもバーゲン品なるとますます怪しい。
 しゅんとしていることはだが、ないものは仕方ない。
「それならどこか近くで似たような靴紐を探すしかないな。 」
「はい~、そうします~。 」
 気落ちした声で返事をしたことはは、仕方なく立ち上がった。
 それでようやく2人は再び歩き出す。
 が、少し歩いてから丈瑠はその柳眉を寄せてことはの足元を見た。
「…おい、どうにかならないのか、それ。 」
 困ったように笑うことはは、えらいすんまへん、と頭を下げた。
 靴紐が切れたスニーカーは、ことはの足を締めて包むための機能を失った余裕から、歩くたびにいちいち踵が抜けて、かぽんかぽんと音がする。
 更にそのまま脱げるのを防ぐためにことはが靴をひきずる形となり、かぽん、ずるっ、かぽん、ずるっ、と音がする。
 それが丈瑠の耳障りだったらしい。
「どこかに靴屋さんがあったら、そこでとりあえず代わりの靴紐買いますから、もう少しお耳障りを許したってください。 」
 言われて丈瑠は、頭の中でこの近くに靴屋があったかと考える。
 少し行った所にあったのを思い出して、そこまでの時間とことはの足の状況を考え、丈瑠はふと、思いついたことを実行した。
 すっと腰を屈めると、突然ことはの反対側の脇と膝の後ろに手を入れて、力任せに抱き上げたのだ。
 いわゆるお姫様抱っこというやつだ。
 いきなり両足をすくわれてびっくりし、慌ててバランスを取るために思わず丈瑠の首にしがみつくように両腕を回したことはは、そのカオの近さに一瞬にして茹でダコになった。
「ひゃあっ! 殿様っ! いきなりナニしはるのん! びっくりするやないですか! 」
「うるさい、耳元で怒鳴るな。 」
「殿様のせいですっ! ええから離してください! 」
「歩く音が耳障りなんだ、仕方ないだろう。 」
「そんなん理由になりませんー! 」
 なんとか丈瑠の腕から降りようとじたばたと暴れることはだが、丈瑠はしっかりことはを抱き上げていて案外ものともしていない。
「別にケガしたわけでも歩けんわけでもないんですから、こんな恥ずかしいコトせんでくださいっ! 」
「今この状況で騒いでるおまえの方が恥ずかしい。 いいからおとなしくしてろ。 」
「お姫様抱っこの時点で充分恥ずかしいですーっ! ええから降ろしたってください! 」
 言いながら、勢いよく足をばたつかせたその瞬間。
 ぽーん、とことはの足元から、靴が勢いよく飛んでいった。
「「あ。 」」
 歩くだけでも余裕のあった靴が、勢いよく放り出されて飛ばないわけがない。
 キレイな放物線を描いたことはの靴は、ちょうど少し離れた街路樹の上の方に飛んでいった挙句、枝に引っかかったらしくそのまま落ちてこなかった。
 しばらくその光景を眺めていた主従は、ふとカオを見合わせた。
「歩けなくなったな。 」
「……ハイ。 」
「じゃ、諦めておとなしくしてろ。 」
「……ごめんなさい。 」
 真っ赤なカオでつぶやくことはに、思わず丈瑠のカオが緩む。
「…あの、うち、重うないですか? 」
「予想以上に軽い。 もう少ししっかり喰え。 」
「あの、せめておんぶで…。 」
「かまわん、このままでいいだろ。 」
 お姫様抱っこは恥ずかしいとかなんとかつぶやいていたことはだが、丈瑠がまったく体勢を変える気がないので結局諦めたらしい。
 恥ずかしくてたまらないのに、丈瑠の負担を減らそうと遠慮がちに首に回した手が嬉しい。
 うつむいた真っ赤なことはのカオが近い。
 ことはの身体に回した両手がなんだか熱い。
「…殿様、なんか楽しそうや。 」
「そう見えるか。」
「うちのコト、アホや思うてるでしょ。 」
「いや。 ドジだとは思うが。 」
「~~~っっっ、殿様のいけず! 」
 うつむいてふてくされたようにつぶやいたことはに、丈瑠は今度こそ相好を崩した。
「こんなに大事に扱ってるのに、なに言ってる。 好きな靴買ってやるから機嫌直せ。 」
 笑いながら歩く丈瑠に、ことはは再びカオを赤くした。
「…殿様が家臣をお姫様抱っこなんて、時代劇だって聞いたことあらへん。 」
 丈瑠の腕の中でまだ不満そうにつぶやいていることはに、丈瑠はこっそりと内心で思った。
 …殿が抱き上げるのは、内儀になる女だけだろう?
 ならば問題ない。





                                               了
                                               

今回のテーマは、ずばり 『お姫様抱っこ』 です。 (笑)
『ala』 のみつかん様から、ぜひ早瀬の 『お姫様抱っこ』 を! と言っていただいたので。
みつかん様と同じようなネタを考えていた早瀬は、戦闘以外で殿がことはをお姫様抱っこする理由をなんとか考えてみました。
こんなのんきな理由でも、案外仕方ないといいながら手を貸してくれそうです。
そして、ことはちゃんが普段買う3倍くらいの値段の靴を平然と買って、びびったことはに余所行き使いにされてなかなか使ってもらえず、不満に思ってる殿がいたら楽しい♪

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| | 2009/10/21/Wed 21:33[EDIT]
Re: お裾分け、オイシすぎです!!(笑)
ぎゃー!!
桃李くんの写真が!!!
笑ってるー! すっごいカワイイ笑顔は、ナンですかコレーっっ!! ( /////// )
なんか正視できなくて、思わず目を逸らしちゃいましたよぅ!
コレは『桃李くん』であって『殿様・志葉丈瑠』じゃないですね。
いやもう、殿様で出し惜しみ (?) してる全開の笑顔がこんなんやと思うと、なにやら必要以上に萌えてしまいます。
果たして最終回までに、こんな『殿様』の笑顔が1度でも観られるんでしょうか。
はうー、たかだか写真5枚で眼福どころかおなかいっぱいな早瀬でした。
ホントにありがとうございました♪
早瀬美夜 | URL | 2009/10/26/Mon 11:16[EDIT]
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