『侍戦隊シンケンジャー』 の殿×ことはにすっ転んだ早瀬美夜がお送りする、ちょっとじれったい系ほのぼのSSブログです。お気に召しましたら幸いです♪

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

招かざる猫?
今回は、27幕「入替人生」の後のお話。
…初めに考えていたものと全然違ったお笑いテイストになってしまったのはナゼでしょう。(笑)
うーむ、おかしい。
糖度の高いものを書きたいと思うのですが、どーもその話にお笑い色が強いとついそーなってしまいますね。(同意を求めるな)
ではでは、下へどうぞv
招かざる猫?


「…今日は、本当に酷い目に合った…。 」
 溜息まじりの声で丈瑠はつぶやいた。
 目の端に見える招き猫を忌々しげに睨みつける。
 控えていた黒子に、置かれていた招き猫と扇風機、小便小僧を片付けてしまえと言いつけて、別の黒子が持ってきたお茶をあおる。
 今日の戦いは、全員にとって散々なものだった。
 現れた敵のアヤカシであるアベコンベの術に、いくら手傷を負った状態とはいえあっさりと嵌ってしまい、なぜか招き猫と強制的に身体を入れ替わらされてしまったのだ。
 動くことも喋ることもできず黒子に抱えられて屋敷に戻ってきた時の情けなさは、思い出してもはらわたが煮えくり返る。
 挙句に千明とことはのたった2人で敵を倒させなければならなかったのは、主としてよくやったと褒めながらも己の未熟さを思い知らされてまた歯噛みする思いだった。
 だが、ことははともかく、千明に限っては、褒めるのと同時に文句の1つも言いたくなるわけで。
 むっつりと不機嫌そうにしている丈瑠に、千明は苦笑いをした。
「だーからー、あん時はことはのためにさー。 」
「それは判ってる。 判ってるが、ナニが 『にゃー』 だ! 人をおもちゃにしやがって。 」
「だってそれくらいしないと、ことはが笑ってくれねーだろー?
あん時のことは、プレッシャーで可哀想なくらいマジ、ガチガチだったんだぜ。
それを和らげてやれたんだからイイじゃん、そんくらい。 」
 千明の言葉に、丈瑠は不満げに睨み返す。
 侍の中では年齢も剣の腕も下、という2人だけが入れ替わりを免れ、この事態の収拾を図らねばならなくなり、ことははその責任の重さに表情がこわばった。
 それを察した千明が、こともあろうに丈瑠の身体で遊んだのだった。
 動けず文句も言えないのをいいことに、頬に猫ヒゲを書かれた挙句、『行っくにゃー!』 などと掛け声を上げた日には、主君の威厳も何もあったものではない。
「千明おまえ、間違いなく面白がってただろう。 」
「あー、そりゃー否定しないけどなー。 丈瑠のカオで遊べるってのもそうそうないしな♪ 」
 にやにや笑って悪びれない千明にはまったく毒気がなくて、丈瑠は深く溜息をつく。
 そこに流ノ介が乱入した。
「千明! おまえ、恐れ多くも殿のお顔で遊ぶなどと! ことはのためと判っていなければ、世が世なら無礼討ちレベルの無礼だぞ! 」
「うるせーな、判ってんだからいいだろ。
そー言いながら写メった猫殿欲しがったのダレだよ。 ったく、小便小僧は黙ってろ。 」
「なっ…! 貴様! そこへ直れっ! 」
「うるさい、おまえら。 」
 怒気を含んだ声で低く一喝すれば、仕方なく矛を収める流ノ介。
 丈瑠は不機嫌なカオのまま言った。
「今回のことは確かに千明のおかげで助かった。 だから水に流してやる。 だが、次は許さんぞ。 」
「へーへー、ありがとうございます、殿サマ。 」
 1人楽しそうな千明がありがたいなどとは思っていないのは一目瞭然だ。
 まったくコイツは…、と思っていると、千明が訊いてきた。
「でもよー、考えてみたら丈瑠、まだ招き猫でよかったと思わねー? 」
「招き猫のどこがいいんだ。 」
 屈辱と思いこそすれ、まったく嬉しくなどない。
 だが、千明は言った。

「もし丈瑠が小便小僧になってたら、もっとすっげー笑える構図になってたと思うけど? 」

「…っ!! 」
 思わずその光景を想像して固まる丈瑠。
 さっきまで招き猫がいたこの席に鎮座ましました、赤いバンダナで腰周りを隠してもらった小便小僧と、トイレに立たせられた己の身体…。
 それを気の毒そうな目で見ることはと笑いをこらえる千明の姿まで考えなければいいのに想像して、丈瑠の血の気が引いた。 気が遠くなりそうだ。

 そんな姿を晒すくらいなら、自刃する…!

 すっかり表情の固まった主君を見て取って、流ノ介が慌てて言い募った。
「家臣たるもの、殿の代わりに恥を晒してこその忠義!
不祥・池波 流ノ介、殿の御身代わりにあのような姿になったと思えば、むしろ光栄至極!
ええ、殿はあの招き猫でよかったのです! 」
「…流ノ介。 すまない。 」
 忠臣の言葉に珍しく感動する丈瑠。
 ハタで聴いている千明からしたら 『いやいや、そもそもならないのが一番イイんじゃね?』 とツッコミを入れたくてしょうがないが、それを言わないのが親切というものだ。
 その時、廊下から足音が聞こえて、ことはが奥座敷にひょいと顔を出した。
「あの、殿様? 」
 顔を上げると、ことはの腕に、招き猫が抱えられていた。
 さっき黒子に処分するように言った例のモノだというのに気付いて、丈瑠は不思議そうに訊いた。
「どうした? 」
「あの、今そこで黒子さんに会って。
この招き猫、捨てるって聞いたんですけど、そやったら、うちがもらったらあきませんか? 」
 ことはのお願いに、丈瑠が眉根を寄せた。
 正直この屋敷にあると思っただけでも目障りなくらいだと言うのに、よりによってなぜことはが。
「なんでそんなものが欲しいんだ? 」
「だってこの子、さっきまで殿様やったんですよ。
そう思ったらなんや大事にせなあかんような気がして粗末にでけへんのですもん。
部屋に飾って殿様やと思って大事にしたい思うんですけど、ダメですか? 」
 招き猫を可愛がるくらいなら直接俺を大事に思ってもらえた方が嬉しい…などとも言えず、丈瑠は難しいカオのまま仕方なくうなずくことで承知した。
 途端にぱっと明るい笑顔になったことはは嬉しそうに招き猫を抱き締める腕に力を込める。
「ありがとぉ、殿様!
じゃ、これから一緒にお風呂に入ってもう一度綺麗に洗ってあげてから、お部屋に飾らしてもらいます! 」
「………ああ。 」
 とたとたと足音を立ててことはが去っていくのを男たちは見送った。
 なんとなく千明が、フクザツそうな丈瑠のカオを見る。
「…まさか、もうちょっと招き猫のままでもよかったとか思ってねーよな? 」
 …それはつまり、一緒にお風呂に…。
「思うかっ! 」
 カオに血の気が上がりそうになって、丈瑠は反射的に千明のアタマを張り倒した。



                                                   了
                                                  
27幕・「入替人生」 の後を書いて見ました。
あの招き猫やら扇風機、小便小僧の運命やいかに!? (笑)
他はともかく、招き猫だけは無事存えていそうだと思います。
いやもう、丈瑠as小便小僧という禁断の構図を例え話でも書きたかっただけ…!
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!
石は投げないでーっ!

Comment

 秘密にする

元のフリマ?に戻さなくて良いんですかねぇ?
黒子さんが買い取って? いるのなら良いんですが『子供番組!?』としては…。なんて、真面目に考えてしまいますv

招き猫はことはが!
扇風機は茉子が使用??
最後の…はどうなったんでしょう?
哀れ!! 流・仮住まい!? の行方はどっちだ(笑)
teddy | URL | 2009/09/17/Thu 01:43[EDIT]
Re: きっとその辺は大丈夫v
やっぱりアレはフリマ会場だったんでしょうかね?
じゃ、やっぱりきっと黒子さんたちが買い取っていったんじゃないでしょうか?
だっていつまで入れ替わってるか判んないし! 後で揉めないよう、きっと言い値でお買い上げ!
だって志葉家当主が入ってる招き猫だもん、絶対持ち帰らないといけないし! (笑)
大丈夫、お子様番組ですからその辺はきっと抜かりないですって。(^-^)

流・仮住まい! ナイスな表現ありがとうございます。(⌒▽⌒)
あ゛ー、さて、どうなったんでしょうねぇ。
志葉家の庭の隅にでも、というご意見がありましたが。
妙に愛着が湧いて流ノ介の部屋に置いてあったら、それこそ爆笑モノなんですが。(大笑)
早瀬美夜 | URL | 2009/09/18/Fri 12:58[EDIT]
やっぱり気になる彼の行方
初めてコメントさせていただきます。
いつも、楽しく拝見させていただいてます。

ところで。
この話を読んで、ふとその後の侍たちの会話が浮かんできてしまいました。

こ「茉子ちゃんの扇風機も、うちの部屋にあるんよ。かわいいピンクさんやし。大事にしいひんと、罰あたるわ♪」

茉「ことは!(ぎゅ!)」

流「うんうん。ことははやさしいなあ。・・・・・・で。私の小便小僧はどうだ?」

こ「・・・・・・・・流さん。・・・かんにんな?」

流「こ~と~は~(涙)」

千「ま。そうだろ。普通」

みたいな(笑)

やっぱり、志葉のお庭にひっそりと置かれてたりするのかもしれませんね(^^;

たのしくよませていただきました。ありがとうございます。
ちびこざる | URL | 2010/05/06/Thu 09:26[EDIT]
Re: やっぱり気になる彼の行方
>ちびこざる様
初めまして!
おいでいただきありがとうございます♪


>>ふとその後の侍たちの会話が浮かんできてしまいました。

あっはっは!
そーですよねぇ。
扇風機は持ち込めても、さすがに小便小僧をお年頃の女の子の部屋に置くのはどうよ!?と思いますよね。(大笑)
そんなんやったら自室に置け、流ノ介!(^-^)

庭の隅に置いてあった小便小僧がある日、千明のイタズラで流ノ介の部屋に鎮座ましましてたら面白かろうなぁ。
用事があって部屋へ行ったことは辺りが、座布団に座ってる小便小僧に驚いて、

「流さん!? また小便小僧になってまったん!?
うわ、どうしよ! またアベコンベが出たんやろか?
ああっ、そういえば流さんの身体の方はドコ行ったんやろ?
殿様! 茉子ちゃん! 千明ー! 大変やあぁ! 」

とか慌てて部屋を飛び出して、奥座敷に丈瑠といた流ノ介を見てぽかんとしてみたり。(笑)
後で当然千明が殿と流ノ介に大目玉喰らったりして。
早瀬美夜 | URL | 2010/05/06/Thu 17:20[EDIT]
Track Back
TB*URL

Copyright © さくら堂・別館  太陽の赤 たんぽぽの黄色. all rights reserved.

カスタマイズ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。