『侍戦隊シンケンジャー』 の殿×ことはにすっ転んだ早瀬美夜がお送りする、ちょっとじれったい系ほのぼのSSブログです。お気に召しましたら幸いです♪

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「殿が執事になった訳」
今回は、赤黄ファン必見の22幕 『殿執事』より、冒頭の部分を妄想してみました。
内容は、タイトルの通りです。(大笑)
赤→黄です。
ではでは、↓より、どうぞvv

殿が執事になった訳


 とある日の、夜。
 奥座敷の最奥、いつもの定位置である上座に座った丈瑠は、呼び出したことはを目の前にして切り出した。
「明日の稽古のメニューだが、ことは、おまえが考えろ。 」
「え? う、うちがですか? 」
 目を丸くしたことはが驚いて聞き返すと、丈瑠はうなずいた。
 渡された真っ白な紙に途惑っていることはの頭の中も今は真っ白かもしれない。
「いやっ、無理です、うちが稽古のメニュー考えるなんて…。 」
 慌ててかぶりを振ったが、丈瑠は穏やかな目で見据えるだけだった。
「おまえの好きにしていいから、やってみろ。 」
 そんなこと言われても、と困惑することは。
「でも…あの……そしたら、殿様はなにがしたいですか? 」
 すがるように助けを求めて見上げることはに、丈瑠は軽くため息をついた。
「だから、俺じゃなくて。 おまえのやりたいことでいい。 」
「え…。 」
 やりたいこと? 考えたこともなかった言葉にぽかんとした、その時。
 だだだだっ! と騒がしい足音が聞こえて、丈瑠とことはは思わず廊下に目をやった。
「ことはちゃ~ん!! 」
 大声と共に源太がなにやら腕に大荷物を抱えて部屋に飛び込んできたのが目に入る。
 ぽかんとしていたことはは、名前を呼ばれて思わず立ち上がった。
「ちょっとちょっとちょっと、ことはちゃんっ! 」
 言いながら目の前まで来た源太は、腕に抱えてきた衣装らしいものを掲げて見せた。
「コレ、合うかな? 」
「へ? 」
 さっぱり判らないことはに持ってきた衣装をあてようとして他の衣装が邪魔だったらしい。
「おう、殿様どけ。 」
「おおぉっ!? 」
 源太は突然振り返ってソコにいた丈瑠を突き飛ばして場所を作ると衣装を置き、ひっくり返る丈瑠になど目もくれずにその中から赤いドレスを掴んでぽかんと驚いていることはにあてた。
「…なにコレ? 」
「なんだ、いきなり。 」
 幼馴染の暴挙に眉根を寄せた丈瑠は、起き上がりながら文句を言う。
 いきなりなのはいつものことだが、今度は一体どんな厄介ごとを持ち込んだのか。
 あてるドレスをとっかえひっかえしながら、源太はようやく説明をする気になったらしく、話し出した。
「実はさ、オレの屋台の常連第1号がいるんだけど、コレがかなりの金持ちで、坊ちゃんなんだ。
で、ことはちゃんにそいつの婚約者になってもらいてぇんだ! 」
「婚約者!? 」
「…へ? 」
 丈瑠が目を剥き、とこはがぽかんと口を開けた。
「うんうん♪ 」
 にっこりとやたらイイ笑顔を見せる源太だったが、即座に反応したのは当のことはではなく丈瑠の方だった。
「ちょっと待て! なんだそれは!? 」
 思わず立ち上がった丈瑠に、源太はまあまあと抑える仕草をする。
「怒んなよ、たけちゃん。 落ち着けって。 」
「これが落ち着けるか! なにを突然勝手なことを! よりによってことはの縁談だと!? おまえ、なにを考えている!! 」
 胸倉を掴みかからんばかりに怒る丈瑠に、源太は慌てて付け足した。
「違うって! フリだよ! 婚約者のフリ! ホントじゃねえって! 」
 正に掴みかかろうとした丈瑠の手が止まって、源太は命拾いをした。
 はあ、と息をついてから、源太は内心で苦笑する。
 普段はクールなフリをしているこの幼馴染の殿様は、最近結構あからさまに動じることが増えてきた。
 …コト、背後の最年少の侍少女に関して、特に。
「…どういうことだ。 」
 ようやく落ち着いたがそれでも不機嫌そうに訊く丈瑠は、自分の席である畳の上にどさりと座った。
「いや~、その坊ちゃんがさ、やっぱ金持ちだけに、いろんなトコから結婚の売込みが激しくてうんざりしてんだってよ。 で、いっそのこと、偽の婚約発表でもすりゃ、そういった輩を一掃できんじゃねえかって考えて、オレがその手伝いを頼まれたんだ! やっぱ常連は大事にしねえとな! 」
 人情のヒト・源太らしい理由だが、丈瑠の表情は改まらない。
「…理由は判った。 」
「お! さすがたけちゃん、理解が早いねっ♪ 」
「だが、駄目だ。 」
「なんでだよ! 」
「ことはをそんな理由で使うことは許さない。 」
「いいじゃんか、1日くらい! 」
「駄目だ! 」
 睨み合う丈瑠と源太の背後から、やっと当事者であることはが口を挟めた。
「源さん、あの、なんでうちやの?
うち演技なんてできへんし、茉子ちゃんとか、他にも綺麗な子なんていっぱいおるやん。 」
「あ? なんだか知らないけど坊ちゃんのリクエストなんだよ。 ことはちゃんをご指名だったんだ。 」
 源太の言葉に、丈瑠の表情が更に剣呑なものになる。
「へ? うちを知ってる人? うち、こっち来てからまだそんなに知ってる人多くないんやけど、誰やろ…? 」
「前にオレの屋台で会ったことがあるって言ってたぜ。 そん時、気に入ったんじゃねぇの。 」
「あー、そーなんやぁ…。 」
 呑気に小首を傾げることはだが、丈瑠は源太を睨みつけた。
 その男がことはを誘う為に源太に声を掛けたことは明白なのに、源太は気付いていないのか。
「で、誰なんだ、そいつは。 」
「松宮義久っつーんだけど、たけちゃん知ってる? 」
「松宮…。 」
 丈瑠は記憶の中からその聞き覚えのある名前を思い出してなるほどとうなずいた。
 志葉家ほどではないが、日本の財閥の中でも割と古い歴史を持つ名門中の名門だ。 なるほど、松宮家なら繋がりを持ちたい各方面から姻戚関係を結びたいとごり押しされても不思議ではない。
 まして跡取りである現会長の孫息子は、面識はないが年上に対してあまり強気に出られるような人物ではないと聞いていた。 このままではいずれそのごり押しに負けて望みもしない形だけの結婚を強いられることになると危惧したのだろう。
 その気持ちは、判らなくもない。
 実の所、志葉家も状況からしたらあまり人のことは言えない状況と言ってよかった。
 侍家業を最優先にしている丈瑠だが、丈瑠にはもう1つの立場がある。
 現実問題として大人数の黒子たちと侍を養い、この場所にこれだけの土地家屋を維持できるだけの収入がどうやって得られているのか、幸いまだ侍達には追及されていない。
 もしかしたら流ノ介や茉子は知っているかもしれないが、千明とことははたぶんしらないのだろう己の立場は、公式には表に出ていない分ましかもしれないが、実は松宮の跡取りとなんら変わりはない。
 同情はする。
 だが、たとえ嘘でも、ことはを他の男の婚約者として公表するなんてことを許すわけには行かなかった。
「駄目だ。 許可はできない。 」
「たけちゃん! 」
 源太が不満そうな声を上げた。
「オレの立場ってモンも考えてくれよー! 一旦引き受けた以上、やっぱダメだったなんてコト、男が言えるワケねえだろー!?
同じ金持ちの坊ちゃんとしてさー、協力してくれよー! なー!? 」
「知るか。 勝手に安請け合いしてくるおまえが悪いんだろう。 」
 冷たく突き放す丈瑠に、源太はアタマを抱える。
 こうなると頑として撤回は利かないことを、源太は経験上知っていた。
 だが。
「あの、源さん、うち引き受けてもええよ? 」
 控えめな笑みと共に、ことはが言った。
 途端に丈瑠と源太が声を上げる。
「ことは! 」
「おおっ! さっすが ことはちゃん! ありがてぇ~っ!! 」
 大喜びの源太を押し退けて立ち上がった丈瑠がことはを睨んだ。
 小さくなりながらもことはは顔を上げる。
「だって源さん困ってはるし。 ホントに1日だけのフリでええんやったら、人助けやし、別にうち、いいかなって。 …ダメですか? 」
「おまえに良家の令嬢のフリができるのか。
顔の見覚えすらない男との婚約発表だぞ。 要領よく立ち回ることなどできるのか? 」
 言われて、う、と口篭ることはだが、源太が口を挟んだ。
「んなもん、とりあえずにこにこしてアタマ下げてりゃ、どーにかならぃ!
たけちゃん、ことはちゃんがいいっつってんだ、いいよな! 」
「駄目だ、許さん。 」
 頑固な殿様のお言葉に、源太はアタマを掻きむしった。
「あ゛ー、もう! そんなにことはちゃんが心配なら、おまえも一緒に行きゃあいいだろ! 」
「なに? 」
「えっ!? 」
 思わぬことを言われて丈瑠とことはは目を丸くした。
「お嬢様ならお付きの1人や2人いたって別にヘンじゃねえだろ? たけちゃんが一緒に行ってことはちゃんのフォローをしてやりゃあ、ことはちゃんだって安心だろうしな。 そんならどうだよ? 」
「ええっ!? そんな、源さん、そんな無茶言ったらあかんよ! 殿様にうちのお付きなんて…! 」
「……いい案だ。 」
「え!! 」
 思いがけない言葉にことはが慌てる。
 婚約披露パーティといっても、そこにいるのは当然婚約者候補の女性だけではない。
 どこかのほほんとしたことはが、どこぞのヘンな男に引っ掛けられそうにならないとも限らない。
 丈瑠が一緒に行けば、ことはに悪い虫がくっついてきそうになっても堂々と追い払えるし、万が一松宮の子息が本気だったとしても、「フリ」 を提案したのは向こうだ、それを盾にことはに手を出そうとするのを阻止できる。
 それに最後の手段として、志葉の名を出せば後が大変かもしれないが、なんとでもなる。
 自分の知らないところでことはに他所の男が寄り付くのなんかごめんだ。
 ふむ、と腕を組んだ丈瑠は、未だ剣の取れない目を源太に向ける。
「俺がことはのお付きとして一緒に行く。 それならいい。 」
「おっしゃー! 決まりーっ! 恩に着るぜぇ、たけちゃん! 」
 ようやく許可が下りて喜ぶ源太の横で、今度はことはが慌てる番だった。
「殿様!? そんな、あかんて! 」
「行くと言ったのはおまえだ。 だが1人で行かせるのは心配だから俺が一緒に行く。 ごく自然なことだろう。 それのどこがいけない? 」
「だって…。 」
「俺を連れて行くのが嫌ならこの件はなしだ。 許可はしない。 」
 ちょっと意地悪な言い回しにことはが言葉を無くすと、源太が必死に口を出す。
「げっ! ことはちゃん! うんっつって! なっ! なっ!? 」
 源太の焦りと自分の戸惑いを秤にかけてから深くため息をついたことはは、丈瑠のカオを上目遣いに睨んだ。
「…殿様、いけずやわ。 」
「家臣を案じる優しい主君だと言え。 」
 珍しくふざけた言い回しで言い返した丈瑠は、ふと自分の席を半分占領していた衣装をざっと見て、それを全部まとめて源太につっ返してから歩き出した。
「衣装を調達に行くぞ。 どれもことはには似合わん。 」
「え、調達って、たけちゃんが!? 」
「まだこの時間なら開いてる店もあるだろう。
俺が見立てる。 おまえ、もう少しセンスを磨け。 職人だろう。 」
「なにーっ、言いやがったな! 」
 言い合いながら部屋を出て行く2人の後ろから、ことはがおろおろしてから仕方なく付いていく。
「ことはちゃんがお嬢様なら、たけちゃんは…、おお、最近流行りの執事でどうよ! 背ぇ高いからぜってぇ映えてカッコイーぜ! 」
「…執事が流行り? なんだそれ。 」
「知らねぇのか? 相変わらず世情にゃ疎いなあ、たけちゃんは! よし、執事衣装も要るな! 」
「…なんだか判らんが、そっちは任せる。 」
「うっしゃー! 」
 長い廊下を歩きながらなんだか盛り上がっている2人を見て、後ろから付いていくことははそっとひとりごちた。
「…あれだけなんやかんや言っといて、殿様結構ノリノリや…。 」

 そして、『お嬢様・ことは』 と 『執事・丈瑠』 が出来上がったのだった。


                                                了
                                                
22幕 『殿執事』より。
あの赤×黄ファン必見の素敵なお話の冒頭を元に書いてみました。
そもそも、どーして殿が 『執事』 としてついていく必要があったのか、その辺をちょっとばかし偏見を持って推察させていただきました。(笑)
だってさ! ニセにしろ、婚約者だよ!? そんなコト、おかーさんは許しません! (ダレ)
玉の輿? そんなもん、殿に嫁げば充分玉の輿!!
そんな知らないトコに嫁く必要はありませーん! (笑)
最終兵器・「志葉家当主」の呪文を唱えてまでことはを他所の男から守ろうとする殿様は、やっぱり独占欲が強いお坊ちゃまだと思います♪ (大笑)
ことはちゃんのかわいいミニスカドレスが、実は殿の趣味だったら楽しい、とか。

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| | 2009/09/08/Tue 21:44[EDIT]
Re:
こんにちは。
隙間「煩悩」お話! いい得て妙ですね。(大笑)
まさに煩悩バリバリの隙間話です♪
私もいろいろ考えたんですが、こんなカンジの理由でもないと、あの殿様がわざわざ家臣のお付きになってまで一緒に行く理由がないんですよね。
だって少なくとも源太は一緒に行ってるんですし、来場要請はことはちゃん1人なんですし。
かと言って、ことはちゃんの恐縮具合や性格を考えれば、「殿様ついてって~」もありえませんし。
だから、殿は自主参加です。(笑)
ふふふ、ミニスカドレス=殿の趣味、投票ありがとうございます。(^-^)
やっぱ一緒に出るとなったら、今度は着飾らせて可愛らしくしたくなる辺り、殿はお坊ちゃまですv
またぜひおいでくださいませ!
早瀬美夜 | URL | 2009/09/09/Wed 15:04[EDIT]
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