『侍戦隊シンケンジャー』 の殿×ことはにすっ転んだ早瀬美夜がお送りする、ちょっとじれったい系ほのぼのSSブログです。お気に召しましたら幸いです♪

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「きっかけ」
7万Hit記念として、SSを1本上げますね。
もっと早く上げるつもりだったんだけどなぁ。_| ̄|○
気付いたら随分過ぎてました。
ああ、やれやれ。

とりあえず、新婚さんです。
では、下へどうぞv





きっかけ


「あの、訊いてもええですか? 」
 本を読んでいた丈瑠の横にちょこんと座ったことはが訊いた。
 本から目を離さず、丈瑠はそのままの姿勢で生返事を返す。
「ん? 」
「丈瑠さまは、いつ頃から、うちのこと好きになってくださったんですか? 」
「…は? 」
 内容が脳内まで到達した途端、素っ頓狂な声を上げて丈瑠はカオを上げた。
 妻はもじもじしながらも上目遣いに旦那様を見ている。
「突然どうした。 」
 至極全うな疑問だが、ことははちょっと拗ねたように唇を尖らせた。
「うちには別に突然やないです。
殿様がいつからうちのこと、家臣やのうて、その、女の子として見てくださってたんやろかって、ずっと不思議やったんですから。 」
 目をぱちくりさせた丈瑠は、可愛い妻の疑問に苦笑した。
「ずっと不思議だったんなら、もっと早く訊けばよかったじゃないか。 」
「…だって、訊いたらあかんやろか、って思ってて。 」
「じゃ、なんで今訊いたんだ? 」
「昨日、茉子ちゃんが流さんに教えてもらったって聞いて…。
それで、知りたかったら丈瑠さまにも聞いてみればって。 」
 …また茉子のヤツ、ことはにいらんコト吹き込みやがって。
 口には出さず、妻の姉貴分である家臣に胸の内で文句を言う。
 本人に直接言ったって言い負かされるに決まっているので言わないが。
「それで、訊く気になったのか。 」
「…ごめんなさい。 でもやっぱり知りたくて。 」
「別に謝ることでもない。 」
 本を閉じて脇に置くと、身体ごとことはに向き直る。
 少し考えてから、丈瑠は言った。
「…そうだな。
気になり出したというなら、初めから、だな。 」
「え!? 」
 今度はことはが素っ頓狂な声を上げた。
「初めって、初めて逢った頃ですか? 」
「ああ。 」
「そんな前からですか!? 」
 ことはは目を丸くする。
 まったく予想外だったのが見て取れて、丈瑠は面白そうだ。
「でも、だって。
うち、初めてお逢いした時からずっとドジやらかしたり怪我したり、足引っ張るばっかりでなかなか殿様のお役に立てへんかったです。
そんなんやのに、なんでそんなうちのこと、好きやなんて思えたんですか? 」
「別に、役に立つ立たないでおまえに惚れたわけじゃない。
ああ、役に立たないから守ってやらなきゃなんて庇護欲でもないぞ、先に言っておくが。 」
 ならもしかして、と言いかけて先んじられたことはは、ならば何故と首を傾げる。
 自分ではどうしても、あの頃の役に立たないひよっこ侍だった自分に、 『殿様』 に好きになってもらえる要素があったのかが判らない。
 正直言えば、今だって自分のどこを丈瑠がこんなに愛してくれているのかもよく判っていないのだから。
 口に出して言えば、そんな天然ボケたところだと返ってきそうなことを考えながら、ことははお手上げ状態で丈瑠に先を促した。
「正確には2度目の戦いの頃だ。 オオツムジとの戦いの時のこと、覚えてるか。 」
 丈瑠が訊くと、ことははうなずいた。
 当たり前だ、戦った時のことは総て覚えている。


 それはまだ、家臣たちがまったくまとまりもなく、丈瑠もまだ家臣たちを信じていなかった頃。
 外道衆・オオツムジとの戦闘に於いて、その事件はあった。
 オオツムジと戦う丈瑠の援護にと投じたことはのランドスライサーがむしろ邪魔となり、ピンチに陥った。
 そのチャンスにオオツムジは、丈瑠を庇おうとして集まった家臣4人をまとめてぶっ飛ばす。
 中でも攻撃の最前面に立ったことはのダメージが大きく、それを心配した家臣3人に、丈瑠は言い放った。
『放っとけ!この程度で潰れるようなヤツはいらない! 』
『一生懸命だけじゃ人は救えない!』
 突き放した言葉と共に敵に向かって駆け出した丈瑠は、逃げ遅れた子供を抱え、戦い続けた。


「あの時の自分の言葉は、今も間違っていたとは思わない。
だがそれでも流ノ介と茉子と千明は俺に反発した。
一生懸命に戦うおまえを見捨て、とっとと戦えと言う俺が人でなしに見えたんだろうな。 」
「で、でも、うちは間違ってないって思いました! 」
 慌てて庇うことはに、丈瑠は微笑んだ。
「そう、おまえは違った。
見捨てられた筈のおまえだけが、すぐに俺の人でなしな言葉に同意してくれた。
それが俺には嬉しかったんだ。 」

 丈瑠は強い。
 だが、同時に同じ強さを他人にも望む。
 戦うための腕っ節の強さだけではない。
 侍としてだけではなく、人としての心のあり方までも。
 その心の強靭さまでも、同じ高みを目指せと言う。
 それがどれだけ厳しいことであろうとも、共に目指せと。
 だから、他人にも厳しい。 それが家臣ならば、尚更。

「俺は昔から、他人に厳しすぎると言われてきた。
学生の頃はそれで同級生たちに避けられていたくらいだ。
間違いなく正しいことを言っていても、固すぎる、おまえとは違うと拒否されることも多々あった。
それでも俺は、自分の信じる正義を貫いてきた。
他人にどう思われても、それだけは変えられなかったし変える気もなかった。
家臣たちが俺の元に来ることになった時も、正直そんなに期待してはいなかった。
主君として命令には従ってもらうが、納得してくれるかどうかなんて知ったことじゃない、そう思ってた。
だからあの時、流ノ介たちが反発した時もやっぱりって思っただけだった。
そして、聞く気がないのならやっぱり今まで通り1人で戦うだけだって、そう思ってた。 」
 丈瑠の告白に、ことはは目を丸くする。
 苦笑を浮かべながら、丈瑠はことはの手を握った。
「だけどことは、おまえだけは違った。
俺の言葉を正しいと言ってくれた。
自分が切り捨てられるかもしれない立場にあって、それでも俺の言葉を正しいと。
初めて、自分が他人に求める厳しさを正しいと言ってもらえた。 それが俺には、嬉しかった。
そして、ようやく俺を理解してくれる人間が現れたのかもしれない、そう思った。 」

 他人に理解してもらえなかったその思いを。
 どんな思いで丈瑠が正義を貫こうとしているのかを。
 理解して受け入れてくれる人が、もしかしたらことはなのかもしれないと。

「おまえが気になりだしたというのなら、あの時からだ。
明確に女として好きだという感情に至ったというのはもう少し後だと思うが、それでもおまえをそういう意味で意識したのはいつかと訊かれたら、あの時だとしか言えない。
これで答えになるか? 」
 夫となった主君をそれこそ穴が開くかと思うほど凝視していたことはは、考えこむように無言で視線を落とすと、やがてカオを上げた。
 花開くような、柔らかな笑顔は、少し恥ずかしげで、でも幸せそうで。
「嬉しい。
丈瑠さまが、うちのこと、そんなふうに思ってくれてはったなんて思ってもみいへんかった。 」
丈瑠がことはの頭を撫でながら笑う。
「俺は怖い専制君主だったからな。 」
「そんなコトあらしません! 丈瑠さまくらい優しい殿様は他にいてません! 」
ことはが即座に断言すると、丈瑠はくすぐったそうに笑った。
「うち、本当にうちの殿様が、丈瑠さまでよかったです。 」
 再び笑えば、丈瑠も嬉しそうに笑う。
「俺も、おまえが家臣となって俺の元に来てくれて、本当によかったと思ってる。
そうでなきゃ、今の俺と、今の俺の幸せはなかったからな。 」
 ことはの細い腰を抱き寄せると、丈瑠はその耳元で悪戯を仕掛けるように囁いた。
「で、おまえは?
俺は話したんだから、当然おまえも話してくれるよな? 」
「え、あ、その。 …判らへん。 」
 思わぬ切り替えしに、ことはは固まった。
「……ことは。 」
「だって、うちにとってずっと殿様は特別やったん、どこから男の人として好きやったかなんて、境目が判らへん。
殿様のこと、初めからずっと大切で、特別で、尊敬してて、知れば知るほどどんな殿様も結局全部が大好きになってん。 でもそれがどっちの意味でやったかなんて判らへん。
やから、うち、丈瑠さまのこと、いつから好きやったなんて、自分のことやのに判らへん。
だって、『殿様』 も 『丈瑠さま』 も、うちにはどっちも同じことやもん。
…ごめんなさい。 」
 しゅんとうなだれたことはだが、丈瑠はカオを手で覆った。
 隙間から見えるそのカオが赤い。
「…おまえ、それ、どんな殺し文句だ。 」
「へ? 」


 つまり、それって、取りようによっては初めから主君である丈瑠もただの男である丈瑠も、関係なく好きになってくれたってコトで。
 丈瑠の言葉も行動も、総てを受け入れてくれているというコトで。
 …まさしく、丈瑠の望む 『自分を理解して受け入れてくれる人』 であると、ことは自身が言ってくれているということで。


「…俺の方が、絶対好きになったの早いと思ってたのにな。 」
 苦笑を浮かべた丈瑠はひとりごちる。
 判っていないことははきょとんとしていて、ノックアウトされた丈瑠はなんだか悔しくなってその唇を奪った。






                                                 了
                                                 

7万 Hit 記念SSです。
丈瑠は一体いつからことはちゃんを好きになったのか、初心に戻ってそんな疑問を書いてみました。
早瀬は20話で転んだ殿ことですが、早い方はもう既に2話で悟っておいでなんですよね。(笑)
改めて2話を見直してみると、ナルホド納得。
ことはちゃんに他の家臣とは違う思いを持っても不思議ではない。
でも、じゃあ、ことはちゃんは?
いつの間にか憧れが愛情に昇華したというのが正しいんじゃないかな、と思います。
どちらにせよ、お互いが初めから惹かれあってた、それが正解。

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| | 2011/07/27/Wed 19:34[EDIT]
Re: お知らせ&長編?SS
>M NOM様

毎度ありがとうございます。
ここんとこ不安定な天気で外出もままならない毎日ですが、体調など崩されておりませんでしようか。
すさまじい土砂降り、敵いませんな。


>「題名のない音楽会・ライダー&戦隊主題歌特集」が放映
おお、情報をありがとうございます!
以前はよく観てたんですが、ここんとこ「題名のない音楽会」観てないんですよ。
楽しみにしたいと思います。

お書きいただいた文章は、とてつもない豪快なキャストのメンツですね~。(笑)
そして内容がものすごくカオスなコトに。
最後の丈瑠の「プロージット」に大爆笑した早瀬がココに。
ところで、コレは箇条書きなので、SSじゃなくてプロットというべきですな。
後半は十臓さん始め、悪役総出演ですか?
ますますカオスだなあ。(笑)
早瀬 美夜 | URL | 2011/07/30/Sat 14:57[EDIT]
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