『侍戦隊シンケンジャー』 の殿×ことはにすっ転んだ早瀬美夜がお送りする、ちょっとじれったい系ほのぼのSSブログです。お気に召しましたら幸いです♪

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「パートナー」
前のSSから随分間が開いてしまいました。
久し振りのSSは、ちょっといつもと調子を変えて、劇場版SSです。
といってもベースは「約束」シリーズの設定で。
今春の天使戦隊と競演の劇場版の後の話というコトで、観ておいでの方はもちろん、観てない方も一応判るはずの仕様で書いております。
よろしければお楽しみくださいませ♪
パートナー ~約束After・番外編


 久し振りにみんなで帰る志葉邸への帰り道のこと。
 突然現れた外道衆・マダコダマと血祭のブレドランを、天使戦隊との共闘により無事倒したその帰りのことである。
 久し振りに揃った6人なので、離れていた間の積もる話を賑やかに話し合っている。
 特にハワイの両親のところに行っていた茉子と京都の実家に戻っていたことはは、みんなで志葉邸にお泊りになったことも重ねて嬉しくて、ずっと笑顔だ。
 だが、その中に1人、会話に参加していない者がいた。
 丈瑠だ。
 ふとそれに気付いた源太が話を振った。
「おい、どーした、丈ちゃん。 黙りこくっちまって愛想ねえな。 」
 1人、先に立って歩いていた丈瑠が立ち止まる。
 振り返ったそのカオは仏頂面だ。
 機嫌の悪そうな丈瑠を見て、千明が混ぜ返す。
「愛想悪いのは昔からだろ。
どーせ、敵の手に落ちて操られちまった己の不覚を悔やんで落ち込んでんじゃねえの? 」
「え、殿様、そうなん!? そんなん気にせんといてください! 」
「そうです! あれは不意打ちの不可抗力だったのですし、こうして皆無事なのですから、お気になさることなどありません! 」
 慌ててフォローしようとすることはと流ノ介だが、丈瑠は仏頂面のまま応える。
「そうじゃない。
いや、悔やんでないわけじゃないが、今はその点が気に入らないわけじゃない。 」
「じゃ、なんだっていうのよ? 」
 茉子に訊かれて、丈瑠は機嫌悪そうなその視線でみんなを見回した。
「天使戦隊たちとのコンビネーション作戦、あれはなんだ。 」
「ナニって、なかなかイイ手だっただろ? 」
 血祭のブレドランたちと相対するのに、ゴセイジャーだけでもシンケンジャーだけでもパワーが足りず、それを補うためにお互いの同じくする属性のパワーを重ねて強力な攻撃技を作り上げた。
 水のモジカラの流ノ介と海のシーイックパワーのハイド。
 天のモジカラの茉子と空のスカイックパワーのエリ。
 木のモジカラの千明に大地のランディックパワーのモネ。
 そして土のモジカラのことはには同じく大地のランディックパワーのアグリだ。
 短時間でも密度の濃い修行の末にお互いの力を上手く利用した合わせ技は見事成功し、敵を殲滅することができた…のだが。
「俺たちのそれぞれのモジカラとあいつらの力の属性っていうの? アレがぴったり合うからってんで、同じ能力同士の合わせ技にしたらパワーが数倍になってさ。 すごかっただろ。 」
「で、それがどうしたよ? 」
 源太と千明が自慢げに言うと、丈瑠の視線が剣呑なものになった。
「それはいい。 有効な作戦だった。
だが、ひとつだけ気に入らなかったことがある。 」
「なんだよ? 」
 丈瑠は、きっ、と千明を睨みつけた。

「なぜことはは男と組んでたんだ!? 」

「…はあ? 」
 家臣一同は思わず目が点になった。
「あの、殿様、なんで怒ってはるんですか? 」
 おろおろと言うことはの横で、千明が間抜けた声で答える。
「なんでってそりゃ、アグリが大地のパワー持ちだったからだろ。 」
「大地のパワーを持っているのはアグリだけじゃなかっただろう。 その妹、モネとかいったか、彼女も同じ力を持っていたはずだ。
なら、ことはと妹が組んで兄貴は千明、おまえが組めばよかったじゃないか。 なんでことはを兄貴の方と組ませたんだ!? 」
 ぶちまけた丈瑠の怒りの文句に、茉子が溜息をついた。
「…なんだ、ただのやきもちか。 」
「妬いてなにが悪い! ことはは俺の婚約者だ! 」
「うわ、開き直りやがったよ、コイツ。 」
 源太が苦笑する横で千明がにやにや笑う。
「そりゃー、せっかく組むんなら、ヤローより可愛い女の子の方がテンションも上がってやる気も出ようってもんだよなー♪ 」
 途端に丈瑠の柳眉が釣り上がる。
「千明おまえ! 自分の好みでことはを危険に晒したのか!? 」
「危険って、大袈裟な。 一応味方のハズなのに、その扱いってどうなの。 」
 茉子が呆れているが、丈瑠は聞き耳持たず。
「そんな、殿がご心配になるようなコトなどなにもありませんでしたが! 」
 慌てて流ノ介もフォローするが、丈瑠は千明を睨みつける。
「絶対か? よもやことはとアグリ2人きりにしたなんてことはなかったんだろうな? 」
 ぎらりと睨みつける我らが殿は迫力だが、ダレがどう見ても威厳なんぞ持ち合わせていないただの妬きもち焼き男だ。
 しょーがねー殿様だよな、まったく、と呆れながらも千明は笑った。
「してねーよ。 ちゃんと、ずっと一緒に特訓してたって。
つか、向こうだって妹と出会ったばっかの男を2人きりにはしたかねーだろ、普通。 」
 ごもっともな言い様に、丈瑠もようやく納得したらしい。
 それもそうかと落ち着いた時、背後から声がした。

「…殿様、うちのこと、信用してくれてはらへんのですか…? 」

 ぎょっとして振り向けば、そこには悲しげなカオでうつむく婚約者の姿。
 慌ててことはに向き合った丈瑠は、今までの怒りはどこへやら、おろおろと言い訳する。
「ことは! そんなことはない! ちゃんと信用してる! 」
「…うち、少しでも早く殿様をお助けしたくて必死で、アグリさんのことをどうこうなんて考える暇も余裕も全然あらへんかったのに。 」
「判ってる。 俺はただ、おまえが心配だっただけで。 」
「うちは殿様のことが大好きやのに、絶対疑われるようなことなんかなんもしてへんのに…なんでそんなこと言わはるん。 」
「大丈夫だ、これっぽっちも疑ってなんかない! 」
「せっかく久し振りに東京でお逢いできたのに、うちがご挨拶もできひんうちに殿様、黒うなって敵になってしもて、ものすごぉ心配したのに。
このままうちのとこに戻ってきてくれはらへんかったらどうしようって、うち、ほんまに不安やったのに。 」
「本当に心配かけた。 謝るから。 」
「それやのに、そんなコト心配されてたやなんて…うち…、悲しいです。 」
「すまなかった、ことは! 俺が悪かった! だから機嫌を直してくれ! 」
 うつむくことはの瞳には今にもこぼれそうな涙がたまっていて、丈瑠は必死になんとかことはの機嫌を取ろうと防戦一方だ。
 それを、家臣達は呆れ顔で見物している。
「…さっきまでのエラそーな態度はドコ行ったんだよ。 」
「人間、変われば変わるものね。 ちょっと見ないうちに随分不甲斐なくなったこと。 」
「こりゃあ丈ちゃん、結婚したらベッタベタの超愛妻家な上に、気付かずことはちゃんの尻に敷かれんじゃねえの。 」
「さすがは殿! ことはへの愛情に満ち溢れている! ことはは幸せ者だな! 」
「いやいやいや、今そこ感動するトコじゃねーから。 」
 家臣に言いたいコトを言われているのが聞こえているのかいないのか、丈瑠はひたすらことはの機嫌を取るのに精一杯だ。
「泣かないでくれ、ことは。
俺はちゃんと、おまえのことを心から信用してるし疑ったことなど1度もない。
ただ、おまえが大切で可愛くて仕方ないから、判っていても無用な心配をするだけなんだ。
おまえが俺の心配をしてくれるのと同じだ。 」
「いやー、心配のし様はだーいぶグレードアップしてるけどなー。 」
「うるさい千明!
ともかく俺が勝手に不安がってるだけだ。 判ってくれ、ことは。 」
 必死に弁解している丈瑠に、ことははようやく顔を上げた。
「…ごめんなさい、殿様。
殿様がうちのこと、大事に思ってくれはってるの判ってるのに、こんなこと言うて。
うち、イヤな子ですね。 」
 しゅんとすることはに、丈瑠は再び首を振る。
「そんなことはない。
おまえを不安にさせる俺が至らないんだ。
今回だってそうだ。 やすやすと敵の手に落ちて操られた上、おまえらの敵に回ってしまった。
まだまだ精進が足りんということだな。 」
「そんなことあらしません。 殿様はやっぱりものすごぉ強かったです。
うちら全員で掛かっても殿様には敵わへんかってん、ダメダメでした。
もっと剣の修行せんとあかんて思いましたもん。 」
 丈瑠は苦笑した。
「おまえが今もっともやらなきゃならんのは、花嫁修業の方だろう。
待ちすぎて首が伸びそうだぞ。 」
 途端にことはの頬が赤く染まる。
「…がんばります。 」
 ぽんとことはの頭に手を置いて撫でる丈瑠の顔がようやく優しげなものになると、ことはも恥ずかしげながらも嬉しそうに微笑む。
 ようやく犬も食わない揉め事が収まったらしいのを見て取って、千明がすかさずからかった。
「さーて、そんじゃ、今度は目の毒な展開になる前に、とっとと帰ろうぜー。
爺さんと黒子ちゃんが美味いもんいっぱい用意してくれてる約束だしな♪ 」
 丈瑠とことはが思わず真っ赤になると、茉子が楽しそうに笑う。
「そうね。 久し振りに全開で戦って疲れたわ。 早く帰って休みましょ。 」
「おうよ。 おフランスで上げてきた寿司の腕、志葉邸に戻ったら披露してやるぜ!
もういつ三ツ星がついても不思議じゃねえぜぃ! 」
「おまえの寿司はどこまで行っても普通寿司だ! いい加減悟れ、源太! 」
「にゃにおう!? 喰ってから言いやがれ! 」
「ああ喰ってやるとも! 」
 源太と流ノ介が言い合いながら歩き出すと、ようやく他の侍たちもその後ろから歩き出した。
 久し振りだという割りにちっとも変わらない仲間たちに安堵を覚えながら、侍たちは志葉邸へと帰っていった。
 皆の家である、志葉邸へ。





                                               了
                                                



今年初頭に上映された映画 『ゴセイジャーVSシンケンジャー エピックON銀幕』 から書いてみました。
設定は 『約束』シリーズで、ことはちゃんは花嫁修業中で京都に戻っている間の出来事とさせていただきました。
劇場版での合体技、観た瞬間に思った。
「なんでことはちゃんとアグリ、千明とモネ? 殿が妬くやん。 」(大笑)
そしてSSのネタを拾ったと思った早瀬がここに。
きっとこの機会に、丈瑠さんはことはとちゃっかり東京でデートしてから京都に帰すに違いない。(^-^)



Comment

 秘密にする

しっとのかわいいですv
こんばんは、SS拝読させていただきました。

嫉妬する殿様、一途でかわいいですね♪
でもことはちゃんを泣かせちゃー茉子姐さんが黙ってませんよ、絶対。
ところで今回のお泊り部屋は茉子ちゃんとことはちゃん一緒ですよね?w
もちろん殿は源さん達に阻まれて恋人との甘い時間なしですよね?(鬼)

天使は顔と名前と属性の区別しかできてなかったんでゴセイVSシンケンでは
なんでわざわざアグリ兄ちゃん&ことはがペア?と殿と同じこと思ってましたw
ゴセイの人物紹介読んでやっと納得しました。
兄は『巌の~』、妹は『芽萌の~』なんですね。
でもモネも岩出してたし、やはりペア逆にしても十分いけたんじゃ・・・
ハッ!もしや千明、殿が嫉妬するのを見越してか。

あ、流さんのウザやかさ(ほめ言葉です)相手にするハイドは大変そうと思いました。
Wピンク組は一番平和っぽい。
そんなVSの一番の萌えポイントは真っ先に殿に駆け寄る青と黄です!
要するにことははカワイイ!

途中から何書いてるのかわからないくらい散文で失礼しました。
要するにことははかわいい。
素敵なしっとのご馳走様でした!
来栖海里 | URL | 2011/04/22/Fri 01:38[EDIT]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
| | 2011/05/06/Fri 14:32[EDIT]
Re: しっとのかわいいですv
>来栖海里様v
こんにちは、随分お返事が遅くなって、ホントに申し訳ないです。

SS、楽しんでいただけたようでよかったですv
『しっとの』、かわいー言い方ですねーv
本人カワイくないのに。(大笑)
なんかすっごいヤキモチ焼きですが、もうひたすらことはカワイさだというコトで、家臣たちの呆れた視線にも負けず妬き倒してもらいたいものです。(^-^)
でも、ことはちゃんを泣かせたら、絶対茉子姐さんがコワイ…。
そしてこの夜は、間違いなく茉子ちゃんとことはちゃんは同じ部屋でガールズトークですよねv
文句を言う丈瑠に、
「あんたは明日ことはを独占するつもりなんでしょ。だったら今晩は私が独り占めするわ。文句は言わせないわよ。」
てなもんでしょう♪
どーせ殿は流ノ介と源太と千明とで呑み明かすコトになるでしょうし?
殿がだんだん不機嫌になってったら失笑モノです。

映画は御覧になったんですね。
そうなんですよ、なんでことはとアグリ、千明とモネ?
真面目に推測するなら、おそらくモジカラを扱う実力として千明よりことはの方が上なんでしょう。
当初は剣術もことはの方が千明より強かったですしね。
だから実力に見合う者同士としてことはと兄、千明と妹なのではないかと思います。
でも単純に千明が『俺、女の子と組みたい!』という理由だったら大笑いだよな~。

>>もしや千明、殿が嫉妬するのを見越してか。
はっ! 殿が嫉妬のあまり、正気に戻るのを狙ってか!?(大爆笑)

天使がメインの映画のハズでしたが、どうしてもシンケン寄りに観るのはファンとして仕方ないコトですよね♪
そして、やっぱ天然ことはちゃんはかわいい♪
うん、同意。(^-^)
早瀬 美夜 | URL | 2011/05/11/Wed 15:59[EDIT]
Re: 豪快者・真剣編
>M NOM様
随分お返事が遅くなって申し訳ございませんでした。

海賊戦隊、おお、とうとうシンケンメンバーが登場しましたか。
あっはっはー、実はまだ1話観ただけで止まってまーす。(汗)
他に山のよーに録画モノがたまってるんで完全に後回し状態でして。
昨今のアニメ事情はあまりに番組数が多く、なかなかフォローしきれないんでたまる一方ですよね~、…って、言い訳ですが。
どーもイマイチハマりきれない雰囲気が二の足を踏んでるかも。
以前も言いました通り、キャラが好きじゃないし。
面白いと思ったものはどんどん先に見てるので、気が進まないものは余計後回しになっちゃうんですよね。
だってシンケンの時だっていっぱいたまってたけど真っ先に見てたし。(笑)
いい加減観なくちゃとは思ってるんですけどねー。

そんなワケで、せっかく書いていただいたものもイマイチ舞台が判りかねるのですが。
…源太、鯉の餌って。コワっ。(苦笑)

>>八犬伝スタイルの戦隊物
面白いですねえ。
フェイクの部分はお子様モノとして難しいでしょうが、たまにはそんな戦隊モノがあってもいい気がします。
私はイマイチと感じましたが、トレジャーハンター戦隊は戦いが本業じゃないという点で親御さんにウケたようですから、仲間探しがメインというのは案外悪くない切り口かもです。
初めから全員揃ってなくたってええやん、というヤツですね。
番組としてなかなか全員揃わないのはどう取られるかですが、「正式メンバーが入れ替わる」ってのは面白いと思うなあ。
でも、全員揃っての名乗りができないのは、戦隊モノとしてイタイ?

で、やっぱ最後の1人は敵幹部ですよね。(笑)
早瀬 美夜 | URL | 2011/05/11/Wed 16:24[EDIT]
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