『侍戦隊シンケンジャー』 の殿×ことはにすっ転んだ早瀬美夜がお送りする、ちょっとじれったい系ほのぼのSSブログです。お気に召しましたら幸いです♪

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「侍の妻の心得」 ①
さて、随分お待たせいたしております「約束after」、ようやく新作でございます。
いやはや、ことはちゃんをお嫁にやるよー、と宣言してから早1ヶ月。
いい加減焦れておられる方もおりましょうや。
ホンマに申し訳ない。
でも、お願いもう少し焦れてv
今回はまだ、結婚式じゃないの。
んじゃナニかっつーと、まあ、やっぱ書いとくべきかな、というもの。
長くなっちゃったので、2つに分けますね。

ではでは、下へどうぞv
侍の妻の心得 ①


 仏頂面の丈瑠は、機嫌悪そうな態度をわざと押し隠すことなくそこに座っていた。
 立派な座敷の一番奥、いわゆる上座に分厚い立派な座布団に収まった丈瑠は、だがそれすらも煩わしそうに胡坐をかいた膝に片肘をついている。
 そして、目の前には平伏した男が1人と、少し控えてことはが座っていた。
「殿にはご機嫌麗しく。
本日は我が花織家においでいただき、恐悦至極にございます。 」
「麗しくなんかない。
もったいぶった挨拶は抜きだ、笙一。 構わないから面を上げろ。 」
「お言葉なれば、失礼致します。 」
 身体を起こして正面から丈瑠を見た男は、花織家総領代理を務める花織笙一。 ことはの従兄だ。
「して、殿。 本日はどのような御用向きで当家においでくださったのでしょうか。 」
 微笑みさえ浮かべて訊く笙一を正面から見て、丈瑠は聴いた。
「ことはの輿入れはいつになる。 」
 笙一は、僅かに目を見開いてから、ようやく主君の来訪の理由を悟った。


 今日は、デートのはずだった。
 丈瑠の仕事の都合を鑑みつつ、週1程度での逢瀬は花織家でも承知していたことだ。
 だが、逢ってからしばらくして、丈瑠がことはに訊いた。
「ところでことは、おまえの花嫁修業は一体いつまでしなきゃいけないんだ? 」
「…ごめんなさい、うち、よぉ判りません。
お花もお茶も料理もお裁縫も、どの先生もまだまだや言いはるんで、どれくらい上手になったのかもよぉ判らないんです。 」
「…じゃ、結局いつになったら許可が出るんだ? 」
「………うちじゃ、判りません。 ごめんなさい。 」
 不満気に訊いた丈瑠に、その婚約者は困ったカオでうつむいた。
 その様子を見た丈瑠は、不満気なカオを仏頂面に替えてから、ことはの手を引いて憤然と歩き出す。
 慌ててついて小走りに歩き出したことはは戸惑いがちに訊いた。
「あ、あの、殿様っ? どちらに行かはるんですか? 」
 歩く速度に気付いて少しスピードを緩めた丈瑠は、それでも尖った声のまま応えた。
「決まってる、判るところだ。 」



 笙一は一瞬でいろいろと頭を巡らせ、それでも笑みを絶やさず応える。
「現段階では、即答致しかねます。 」
「理由は。 」
「未だことはは花嫁修業を修了しておりません。
現段階でことはを志葉家当主の奥方として送り出すわけには参りません。 」
「いつまで掛かる。 」
「それも即答はできかねます。
本人も努力はしているようですが、ことはは今ひとつ覚えが悪く、思ったように習得できないようで進度が遅れております。
少々要領の悪い従妹で申し訳ございません。 」
 慇懃に頭を下げながらちらりと視線を寄越す従兄に、ことはは、しゅんと肩を落としてうつむく。
 勉強はあまり得意でないと自覚してはいるが、そうでない分野まで要領が悪いと、よりによって丈瑠に報告されるのはバツが悪くて恥ずかしい。
 だが、丈瑠はそんなことはの様子など気にもせず、言った。
「花嫁修業の延長は、これ以上は許さない。 」
 笙一は、今下げた頭を上げた。
「しかし殿、そう仰られましても、今すぐというわけには…。 」
 驚いて言い返そうとするが、丈瑠のキツい視線に笙一は言葉を飲み込んだ。
 不機嫌を体現するかのような鋭い視線が笙一を射抜く。
「元は3ヶ月という話だった。
だがことはの進捗状況によっては半年まで延長させて欲しいということだったはずだ。
俺は元より花織に帰しての花嫁修業など必要ないと言った。
だが、ことはの両親の心情や花織の面子も考えろという爺の言葉を受け入れてそれを認めたんだ。
ことはを花織に帰して来週の日曜で丸半年経つ。
これ以上俺は待つつもりはない。 」
 主君の断言に言葉を失った笙一は、僅かに顔を伏せる。
 確かにそういう約定だった。
「し、しかし殿、こちらと致しましても、花嫁として不足ある娘を差し出すのは些か… 」
「誰が不足だと言った。 俺は初めからなにもできなくとも構わないと言っている。
おまえたちが必要だと言い張っただけだ。 」
「…っ 」
 返事に窮する笙一に、丈瑠は溜息をついた。
「…花織が、ことはを志葉の嫁に出すにあたり、花嫁道具代わりにせめてそれなりの稽古事をと思う気持ちは判らないではない。
期間をできるだけ延ばしてその間にできるだけのことを詰め込んでやろうという気概なのも判る。
当初の3ヶ月なんて約束は、あってないようなものだということもな。 」
「…そのようなことは…っ 」
「でなければ、ことはは3ヶ月分の稽古事を半年掛かっても習得できないほど要領が悪いとでもいうのか。 」
 慌てて否定しようとする笙一だが、丈瑠がじろりと睨むと、再び言葉を飲み込む。
 返事のできない笙一に、丈瑠は更に続けた。
「大体、習得できていないとは言うがどこまでできれば終わりなんだ。
茶道にせよ華道にせよ、たかが半年やそこらで終了免状が取れるほど簡単なものではないんだろうし、料理だって、極めようと思えば際限なんてない。 終わりなんてないも同然だろう。
ならば、その続きを志葉に輿入れしてからしたって構わないはずだ。
俺は元々、そのつもりでいた。 」
 志葉家の黒子には茶道・華道・香道など、多岐に渡り師範クラス以上の免状を持つ者が何人もいる。 それらに習わせれば済むことだと丈瑠は思っていた。
 丈瑠は、更に問う。
「笙一、おまえは志葉の嫁になにを求める? 」
 笙一は、ためらいながらもようやく口を開いた。
「…殿を影よりお支えし、常に控えめに出過ぎず、殿の癒しとなれるよう、良き妻、良き母となるべく日々精進することと存じます。
そのためには万が一にも殿に恥の汚辱を被せぬよう、行儀作法、茶華道から箸の上げ下ろしの1つに至るまで全てにおいて完璧にすることこそ、志葉家の奥方に相応しい女性になりうるかと。 」
 だからこそ、ことはにいくつもの花嫁修業を課した。
 志葉家のためになると信じて。
 だが主君を見れば、丈瑠は面白くもなさそうに言った。
「まあ、大方そんなふうに言うだろうとは思ったが。 やはり、俺とおまえの見解は違うな。 」
「…では、殿はどのように思われているのでしょうか。 」
 問われて、丈瑠は少し考える様子をみせてから、ことはに目を向けた。
 口も挟めずずっと小さくなっていたことはだが、丈瑠の視線を受けて居住まいを正す。
「ことは、おまえにやってもらいたいことがある。 」





                      ②に続く                  

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| | 2010/11/17/Wed 15:24[EDIT]
Re: 『侍の妻の心得 ①』の感想です
>ノリ吉さんv
お返事おそくなってごめんなさーい。m(_ _)m

ふふふ、お待ちかねの笙一さんですよー。
やっぱコレはやっとかなきゃイカンでしょ、というワケで、嫁取りの直接対決をさせていただきました。
いつまで経っても花織からことはを嫁がせる用意ができたという報告が来ないことに、いい加減業を煮やした丈瑠さん、とうとう我慢ができなくなりましたとさ♪
「志葉の嫁にナニを求めているか」、丈瑠と笙一の考えの違いはなにか。
その条件の違いは?
楽しんでいただけていればいいのですが。
②の分のお返事はそちらで書きますが、ノリ吉さんの予想はあってましたかね?

さて、コレが終われば、そうです、御輿入れですv
嫁に出すのが惜しい? (大笑)
そんなコト言うと、殿に怒られますよっ。(^-^)
早瀬美夜 | URL | 2010/11/25/Thu 16:12[EDIT]
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