『侍戦隊シンケンジャー』 の殿×ことはにすっ転んだ早瀬美夜がお送りする、ちょっとじれったい系ほのぼのSSブログです。お気に召しましたら幸いです♪

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「決 意」
実は早瀬、ようやく「天使戦隊」を観出しました。(爆)
始まってからかれこれ半年以上経つというのに、全部録画はしてあるというのに、諸事情によりまっっったく観ていない!
いや、別にたいした理由じゃないんですが。
そうです、だからまったくブログネタに天使の方々の話が出てこなかったんです。
別に「ここは侍のサイトだから書かないんだ!」というワケではありません。
ただ観てなかったからっつーだけ。(苦笑)

で、ようやく先日、1話から5話くらいまで観ました。
はー、こーいう話だったのかー。(今更)
後半に入ると、私の大好きな声優さんがゴセイナイトやらいうキャラのお声で出ていらっしゃるらしいので、彼が出てくるのを楽しみに、がんばって消化していきたいと思っております。(動機が不純?^^)

で、話は変わりますが。
えーと、『約束after』 が進まないので、先に1本上げておきます。
前作『もうひとつの、告白』の前に当たるSSです。
登場するのは丈瑠と流ノ介のみ。
ことはちゃん出てきませんが、前提はもちろん「赤→黄」、「青→桃」です。
お気になさらない方だけ、どうぞv

決 意


 夜が更ける、というにはまだ早い時間。
 決戦前夜だという事実に気分が落ち着かず、流ノ介は木刀を手に庭へと出ようと自室を出た。
 我ながら未熟だ、修行が足りん。
 そう思いながらも恐れと高揚する気持ちとが綯い交ぜになり、このままでは眠れぬやもしれない。
 体調を整えるのも侍のすべき準備の1つのはずなのに。
 舞でも舞うか剣を振るか、と迷って、やはり闘いの前だ、剣を選んだ。
 通り過ぎた客間の内で、なにやら話し声が聞こえていた。
 今日はこの部屋で泊まっているはずの源太と千明が、最後になるかもしれないからと酒盛りをするのだと言っていたが、流ノ介は遠慮した。
 かつて歌舞伎の舞台に立つ時もそうだったように、前日は飲酒はしない。
 一度無理やり呑まされて舞台を失敗しそうになってから、尚更流ノ介はそれを験担ぎのように守っていた。
 役者にとって舞台は闘いの場。
 そして明日は、侍にとっての闘いの場。
 今更ナニに祈るといわれようと、明日のことを考えれば験担ぎをしたいと思っても仕方あるまい。
 強大な敵を前に、決して臆することなく挑む心積もりはある。
 主君である丈瑠を護るためなら、この命を今更惜しむ気もない。
 それでも。
 過去の侍たちが何度となく挑み、ある者は死に、ある者は身体を損なうような、そんな過酷な状況になろうとそれでも未だ終わらなかった戦い。
 それを今度こそ終わらせようというのだ。
 全員が生きて還れるかも判らない。 生きて還っても無事とは限らない。
 それでも挑まねばならないその闘いを前に平静でいろと言うのは、まだ年若い侍たちには難しいことかも知れなかった。
 それを彦馬は判っていて、今夜限りは誰がなにをしていようとなにも言わないのだろうか。



 庭先に通じる廊下に出た。
 まだ肌寒い時期だが開け放たれている廊下から外に出ようとした途端によく知った気配を感じて、流ノ介は足を止めた。
 廊下の真ん中頃に、たたきに足を投げ出して座っている主君を見つける。
「どうした。 」
 月を見上げていた丈瑠は、流ノ介を振り返った。
 彼の訪れを別段驚くでもなく、丈瑠は静かに問うた。
「おまえでも、落ち着かないのか。 」
「…面目、ございません。 」
 流ノ介は、両膝を着いてうなだれる。 だが、丈瑠は薄く笑った。
「気にするな。 俺だって落ち着かない。 」
 流ノ介は、カオを上げた。 驚きに目が丸くなっている。
「…殿も、ですか? 」
「おかしいか? 」
「いえ、決してそのようなことは。 」
 言いながら、内心では驚いている。
 少なくとも、表面上は丈瑠が落ち着いていないようには見えない。
 やはり心の制御がきちんとできているのだと感嘆し、主君の自制心を自分も見習わねばと反省する。
 志葉家に来て随分成長したと自負しているが、まだまだ自分は殿には及ばないと思う。
 しばらく無言で月を見ていた主従だったが、ふと、主が口を開いた。
「…流ノ介。 」
「は。 」
「明日は、決戦だ。 」
「はい。 」
「これが、たぶん最後の戦いになる。 」
「はい。 」
「死ぬ覚悟はしているか? 」
 視線は月に向けたまま、丈瑠は静かに問うた。
 流ノ介は、気負うでもなく普段通りの声で言った。
「はい。 」
「そうか。 俺もだ。 」
 丈瑠も、さらりと言った。
 流ノ介は、膝に置いた手をぎゅっと握り締める。
「…もしも殿が身罷られる時は、我々家臣全てが死に絶えた後。
殿の御命は、我々が命に代えてもお護り致します。
元々我々は、そのために志葉家に馳せ参じたはずです。 」
「…そうだったな。 」
 ふ、と口元に笑みを刷いて、それから丈瑠は静かに言った。
「あの頃の俺は、つくづく莫迦だったと、今なら判る。
…爺が心配しておまえらを呼び寄せようとした気持ちも。 」
 出逢ったばかりの、頑なだった頃の殿を思い出す。
 圧倒的な強さと孤高の気高さを持った志葉の当主は、だが当初、共に戦っていても彦馬以外の誰をも信頼しなかった。
 己の腕だけを頼みとし、家臣は足を引っ張らなければそれでいいと言わんばかりの態度を不満に思ったこともあったのは、もう既に昔の思い出だ。
 今は、もうそんなふうには思われていないと胸を張って言えるだけの信頼をお互いが持っていることを、流ノ介は信じて疑わない。
 だが、それでも、流ノ介が丈瑠を護るために共に戦っていることも、変わってはいない。
 丈瑠は続ける。
「おまえらが俺を護りたいと思ってくれるように、俺もおまえらを護りたいと思っている。
誰1人として、俺を護るために死んで欲しくなどない。
俺の、大切な無二の仲間だからな。 」
 ぐっ、と胸が熱くなる。
 主君にそこまで言ってもらえる幸せに感動するが、だがそれを感受していてはいけない。
「この池波 流ノ介、殿にそこまで仰っていただけるとは侍の本懐。
ですが、やはり殿をお護りしてこその家臣。
…いえ、家臣という垣根を越えても、殿、私は貴方を死なせたくはありません。 」
 生真面目だが暖かな台詞に、丈瑠は僅かに苦笑を滲ませた。
 しばらく黙り込んだ丈瑠が、不意に言った。
「流ノ介。 」
「はい。 」
「心残りはなくしておけ。 」
「…は…? 」
 丈瑠の言いたい意味が判らず、流ノ介は訊き返した。
「私は、いつ命を落としても悔いなきよう日々暮らしております。 」
「…侍としてじゃない。 おまえ個人の話だ。 」
 ぼそり、と丈瑠がつぶやくように言った。
「もし… 」
 言ってから、ためらうように言葉を切った丈瑠は、しかし続けた。
「もし、誰かが死ぬとしたら。
俺は、…それは、おまえだと思っている。 」
 一瞬、息が止まった。
 それを察しているのかどうか、丈瑠は淡々と言う。
「…流ノ介、おまえは家臣の中で1番腕が立つ。
だからこそ、おまえは、誰よりも前に出て、誰よりも果敢に戦う。
俺も無茶をするが、おまえはいざとなればその俺を庇って更にその前に出るだろう。
そして茉子を護り、ことはの盾になり、千明を援護し、源太を補助しようとする。
そういうヤツは、1番死線に近い。 」
 止まった息をゆっくりと吐いて、それから流ノ介は静かに言った。
「それで殿と仲間が護れるのならば、私はそれを厭いません。
決して命を粗末にしているつもりはありません。
しかし、私1人の命で皆の命が永らえるのであれば、それも本望。 」
「だから、だ。 」
 丈瑠は気負うでもない流ノ介の言葉に重ねた。
「侍としてのおまえはそれでいいだろう。
だが、1人の男としてのおまえには、本当に心残りはないのか。
…大切に思う者に伝えておきたい言葉はないのか。 」
 すっ、と、丈瑠の視線がとある方向へと向いた。
 その視線の先にあるものを考えて、その途端、流ノ介はどきんと自分の心臓が鳴る音を聞いた。
 ―― その方向は、侍たちに与えられた私室がある。
 …誰も知らないと思っていたのに。
 殿はいつから気付いておられたのだろう。
 流ノ介は、深く頭を下げた。
「…ご慧眼、恐れ入りました。 」
「そう思うのなら言ってこい。 」
 丈瑠のお節介とも言える言葉を、流ノ介は心が震える思いで聞く。
 当初よりずっと心が近くに寄ってきて、寄り添えるようになってきたと思ってはいた。
 だが今まで、そんな個人的な心の内までわざわざ介入するほど自分を近くに置いてくれていたと思ってはいなかったから。
 お節介を焼いてくれるほど、近い存在だと丈瑠が思ってくれていることが、嬉しかった。
「お気遣いをありがとうございます。 」
 低頭したままで答えた流ノ介は、言った。
「では、殿もそのお心をお伝えください。 …彼女に。 」
 ならば、同じ思いでお節介を焼こう。
 流ノ介を振り返った丈瑠は、驚いたように瞠目していた。
 にこり、と笑顔を見せた流ノ介に、丈瑠は苦笑した。
「…そうだな。 」
 お互い同じ思いを持ったのだろう、髪を混ぜ返しながら丈瑠は、ようやく立ち上がった。
 少し照れくさそうに微笑んだ丈瑠は、流ノ介を見下ろした。
「お互い、成就を祈るとするか。 」
「はい。 」
 笑い合ってから、流ノ介は立ち上がった。
 気付けば明日に対する覚悟の重さはすっかり消えていて、代わりに口にするつもりのなかった想いを告げることでの照れくささと緊張感が心を占めている。
 我ながら単純というか緊張感がないというか、それでいいのかと思わないでもないが、だが心が少しだけ軽くなったのも本当で。
 もしかして、そんな効果も狙って丈瑠がこれを口にしたのだとしたら、本当にたいした方だと思う。
「では殿、私はこれから、ことはにこちらへ来るように声を掛けて参ります。 」
「…ああ、頼む。 」
 つぶやくように応えたその視線はあらぬ方向に向けていたが、その視線の真剣さに、流ノ介は自分が要らぬお節介を言わずとも元より丈瑠がそうしようとしていたことを察した。
 先程月を眺めていたのは、その心積もりに気持ちを落ち着けていたのだろうことも。

 …大丈夫です、殿。 ことはは殿をお慕いしております。

 喉まで出掛かる言葉を飲み込む。 それは流ノ介が言うべき言葉ではない。
 流ノ介は一度深く頭を下げると、元来た廊下を歩き出した。
 部屋にいるだろうことはを呼ぶために。
 そして、茉子にこの想いを告げるために。

 意地でも生きて帰る、その理由を得るために。




                                    了




前作 『もうひとつの、告白』 の前に当たるお話です。
丈瑠と流ノ介のみの登場という、珍しいSSになりました。
赤→黄、青→桃という設定で、ひとつよろしく。
丈瑠と流ノ介がどんな話をしたのか、どういった経緯で 『心残りをなくしておけ』 と言われたのかを知りたいというリクにお応えした形です。
決して色ボケてただけじゃないんだよー、というコトで。(大笑)
こういったことで生き残る理由を作るのもアリではないかと。

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| | 2010/10/28/Thu 15:31[EDIT]
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| | 2010/10/28/Thu 19:38[EDIT]
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| | 2010/10/30/Sat 01:39[EDIT]
Re: 『決意』の感想です
>ノリ吉さんv
なんだかとても続きが書きたくなってしまったので、思わずソッコーで書いてしまいました。
早く「約束after」の続きが読みたい方には申し訳なく。(苦笑)

「俺を護るために死んで欲しくなどない」という丈瑠を嬉しく思うのは、当たり前ですよね。
あんなに、家臣はそこに居さえすればいいと言わんばかりだった丈瑠に友情という感情を持ってもらえたんだから。
でも、それでも家臣としての気持ちも忘れてはいけない。
友として共に戦いに行くわけではなく、主従として共に行くのだから。
なんでもない時に言われたら感動の滂沱の涙を流していそうな (笑) 流ノ介だけど、こんな時だからこそ、それを冷静に受け止める。
やはり流ノ介もカッコイイ男です。

この1年、丈瑠はちゃんとことはだけじゃなく(大笑)、流ノ介のこともきちんと見ていたんですよね。
だからこそ、些細な心境の変化をも感じ取れる。
流ノ介の茉子への気持ちの変化も、たぶん他の誰も気付いていない。
ただ、ちゃんと見ていた丈瑠だけが気付いた。
同じように大事に想い、それを秘めている人がいるからこそ気付くその想い。
こんな男たちに想われる女の子、羨ましい限りです。

更なるリクですが。
うーん、「丈瑠+茉子」より「流ノ介+ことは」の方が楽しい気がする。(^-^)
余裕があったら考えてみたい気も…って、だから早く「約束after」書けよってツッコミが入りそうです。(笑)
早瀬美夜 | URL | 2010/11/03/Wed 14:59[EDIT]
Re: 決戦の鬨
>M NOM様v
毎度楽しいプロットをありがとうございます♪

陣太鼓、おおぅ、カーッコイイ!!
が、源太の酒飛沫はともかく、千明、今、2月だぞ、阿呆! 風邪引くわ! (大笑)
…って、ね、寝床って…ええぇっ、ソの描写は、あの…!
そーか、そーなんだ、やっぱこの丈瑠と千明はオトナなのね。(爆)
いやーん、そーいうのもイイなぁ。
へたれ丈瑠ばっか書いてると、こーいうカッコよくキメる丈瑠さんを書きたくなります。(^-^)
「約束after」でも、何度京都に帰る前に押し倒しておけばと…!(爆笑)
源ちゃんと丈瑠のやり取りが好きですv

そして出陣!
颯爽と駆け出す彼らの姿が目に浮かびます。
うーん、実写で見たい! むっちゃカッコイイ!!
…しかし、「プロージット」で爆笑する私がココに。(^-^)

思わず文章どころか映像として起こしてやりたくなるようなプロット、ありがとうございました!
早瀬美夜 | URL | 2010/11/03/Wed 15:16[EDIT]
Re: それでも殿が! カッコイイv
>teddy様v
いいんです!
カッコイイ殿の時はいっぱいホメてやってくださいませ。
ヘタレ殿の時にはヒドい扱いになる彼ですが、ホントはカッコイイ方のはずですもんね。(笑)
流さんと一緒に、ハイご一緒に~。
「さすがは殿!」(大笑)

ゴセイは先日も書きました通り、録画はしてあるだけでまったく視聴できてない状態です。
はて、年内にドコまで消化できますやら。
そんな状態では、VSもアヤシイ…が、シンケンのためだけに観たい気もする…。(苦笑)

今年ももうあと2ヶ月、どんだけ書けるか判りませんが、なんとかもう何本か上げたいと思っております。
気長にお待ちくださいませ~。
早瀬美夜 | URL | 2010/11/03/Wed 15:29[EDIT]
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