『侍戦隊シンケンジャー』 の殿×ことはにすっ転んだ早瀬美夜がお送りする、ちょっとじれったい系ほのぼのSSブログです。お気に召しましたら幸いです♪

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やきもち。
お待たせ致しました。
お約束通り、50000打突破記念フリーSSを上梓致します。
お気に召しましたら、どうぞお持ち帰りいただいて愛でていただければ幸いに存じます。
その際にはぜひお知らせいただければ、嬉しくてPCの前で踊り狂います♪


お持ち帰りのお約束。
・お持ち帰りいただいたSSは、貴サイトに上げていただいて構いませんが、拙宅のサイト名と早瀬の名前だけは記載していただきますようよろしくお願い致します。
・お持ち帰り期限は7月31日です。


*お持ち帰り期間は終了致しました。

今回は、扱いとしては『約束after』のシリーズに入りますが、お持ち帰り可という性格上、作中タイトルにその記載は致しません。
8月1日以降のお持ち帰り可解除以降には加筆致しますので御了承ください。

では、下へどうぞv

やきもち。  ~約束After


 駅ビルの前で待ち人の登場を待ちながら、ことはは腕時計を見下ろした。
 本当は新幹線のホームで待ちたいくらいなのだが、どうせ駅の外に出るのだから駅前で待っていればいいと丈瑠に言われて、外で待っている次第である。
 見下ろした腕時計の指す時間は、遅れていなければ、もうそろそろ到着時間だ。
 丈瑠が出てくるはずの方を見ていると、ふと前に人が立つ気配がして振り返った。
 なにやらにこやかな男性が、2人ばかり立っている。
 大学生くらいだろうか、この街には多くいる普段着の観光客という雰囲気の男性が、ガイドブック片手に寄ってきていた。
「あの、すみません。 ちょっと訊いてもいいですか? 地元の方ですか? 」
「はい? そうですけど、なんですやろか? 」
 きょとんとしたことはが答えると、男性はカオを見合わせて笑った。
「ああ良かった。
すみません、ちょっと場所が判らなくて。 ここに行くにはどういったらいいか教えてもらえませんか。 このガイドブックじゃよく判らなくて。 」
 ここ、と指された神社はことはの行動範囲内にある場所だった。
 地図を覗き込んでいたことはは、得心した笑顔でバス乗り場を指す。
「ええとですね、あそこにあるバス乗り場の奥から2番目のバス停から出るバスに乗ると行けますよ。
降りた道の1本奥に入るとすぐに鳥居がありますから、すぐ判ると思います。 」
「ええ? この地図だとそんなふうになってないけど… 」
「この本、ちょっと古いやつでしょう? ここの道路が拡張して、今ここに道が出来てますから。 」
「えーっ、そうなんだ! 」
 男性2人は顔を見合わせると、更に言った。
「ありがとう、助かったよ。
京都なんて小学校の修学旅行以来で、いざ来たものの困ってたんだ。 」
「そうなんですか。 そんならお力になれて良かったです。 」
 にっこり笑うことはに、男性は更に言った。
「それでね、よかったらお礼にお茶でもどうかな? 」
「そんなんお礼なんて気にしんといてください。 困ったときはお互い様です。
うち、人を待ってますんで、構わんと神社に参拝に行ってください。 」
 慌てて言うことはだが、男性はにこやかに言う。
「いやいや、人に親切にしてもらったらちゃんと返さないとっておばあちゃんに躾けられてるんだ。 」
「そんなん言われても、ホントにええですから。 連れももうじき来ますよって。 」
「待ってるのって友達? だったらその子も一緒にでいいからさ。 」
「断る。 」
 突然、恐ろしく不機嫌そうな男の声が会話に参加した。
 ぎくっとしたことはが振り返ると、背後に待ち人が仏頂面で立っている。
 視線で射殺せそうな勢いで睨んでいる丈瑠を見て、男性2人はカオをひきつらせた。
「…あ、あの…ま、待ち人? 」
 指を指して辛うじて訊くと、ことはが答える前に丈瑠が言った。
「俺の嫁になにか用か? 」
 ぎらり、という擬音が付きそうな視線に、男性2人はすっと血の気が引いた、気がした。
「…っっ! 失礼しました! 」
 慌てて走り去っていった2人を既に記憶から追い出して、丈瑠はことはに視線をやる。
 さっきまで程ではないが不機嫌そうに婚約者を見下ろす。
「まったく、姿が見えた途端にナンパなんかされていやがって…。
いつも言ってるだろう。 おまえは一般人に対して隙がありすぎだ。 もう少し気をつけろ。 」
 逢った途端に説教モードの丈瑠に、ことははしゅんとしながら言い訳する。
「で、でも、あの人たち神社の場所が判らんて言わはるから、うち…。 」
「すぐそこに観光協会の施設がある、そっちに交番もある。
本当に困ってるんなら、普通そっちに行くだろ。 この状況でおまえに訊いてる時点で下心丸判りだ。 」
「……ごめんなさい。 」
 一刀両断する丈瑠に、ますますことはがしゅんとする。
 いつも自分は丈瑠に心配を掛けてしまう。
 すると、うつむいたことはの手を丈瑠がつかまえた。
「お人好しはおまえの良い所だけどな。 捕まえてないと心配でたまらない。 」
 不機嫌そうだった声が幾分緩んで優しくなったのに、ことははほっとする。
 見上げればさっきまでキツかったその視線が柔らかくことはを見下ろした。
 ぎゅっと握って歩き出す。
 ほっとして、ことはは、さっきつっこみ損ねたことを口にした。
「うち、まだ殿様のお嫁さんになってませんよ? 」
「すぐなるんだ、別に嘘はついてない。 」
 しれっと言った丈瑠に、ことはは恥ずかしそうに微笑んだ。



 今日のデートは、結婚記念に彦馬に贈る品を探すという名目だった。
 両親も近い親族もいない丈瑠にとって最も身近な人物であり、育ての親でもある彦馬に、感謝の気持ちを込めて贈り物をしたら、という提案をしたのはことはだった。
 普段は何か贈ろうにも受け取ってくれないだろう彦馬でも、結婚の記念に親代わりの彦馬に、と差し出せばいくらなんでも受け取ってくれるだろう。
 彦馬の好みを考えていくつかの目星をつけておいた店を回り、最終的にとある老舗デパートで首尾よく気に入ったものを手に入れることができたのに、2人はほっとした。
「ほんまに良かったです。
彦馬さん、気に入ってくれるとええんですけど。 」
「大丈夫だ。 爺の好みは熟知してる。 これなら絶対気に入る。 」
 おそらく2人からのプレゼントというだけで間違いなく愛用品の位置を占めるだろうが。



 用事が終わってしまえば、後は純粋なデートの時間だ。
 少し遅めの昼食を摂り、その後はどこへ行こうかという相談をする。
 食事を終えて店を出ると、ことはは化粧室へ寄るため丈瑠と離れた。
 所用を済ませて戻ってくると、丈瑠を探してその辺を見渡す。
 今日は平日の割りに人出が多い。
 だが、丈瑠の姿が見えた途端、思わずどきんと心臓が鳴った。
 思わず足がすくむ。
 知らない女性が、丈瑠に話しかけていた。
 カジュアルな感じのスーツの美人が、にこやかに丈瑠に話しかけている。
 なにを話しているのかはよく判らないが、話しかけられている丈瑠がそれほど嫌そうでもなさそうなのに、ことはは少しだけ驚いて、それからちょっとだけ複雑な気分になる。
 あまり知らない人間に干渉されたくない、実は結構人見知りタイプの丈瑠だが、やはり彼でも美人に話しかけられれば嬉しいのだろうか。
 なにやら話している様子の丈瑠が、なにか言われた途端、照れくさそうな、でも嬉しそうな微笑みを浮かべた。
 思わず目を見張る。
 あんな笑顔、うちらだってなかなか見せてもらえんかったのに。
 なんで初めて会った女の人に…。
 ことはは、知らず、きゅっと胸の辺りで拳を握り締めた。

 …いやや、そんな笑顔、他のひとに見せんといて。

 不意に込み上げた想いのままに、ことはは凍りついていた足をようやく動かした。
 駆け出すぎりぎりの速さで人混みをすり抜け、ことはは丈瑠とその女性のところまで辿り着く。
 ようやくことはが戻ってきたのに気付いた丈瑠が笑顔を向けた。
「ああ、ことは、戻って来 ―― 」
「あの! 」
 ことははそれを通り越して、女性に向き直った。
 近くで見ても美人で、大人だ。 ことはにいきなり呼ばれてきょとんとしているカオも可愛い。
 ことはは勢いに任せて、突然ぐいっと丈瑠の腕を捕まえて抱き締めた。
 必死に、自分のものだと主張するように。
 そして、ぽかんとしている女性に、ことはは必死の形相で言い放った。

「この人はうちの旦那さんです!
ナンパならよその人にして下さい! 」

 女性が、呆けたカオをした。
 そして、次の瞬間、破顔する。
 可笑しいというより可愛くてしょうがないという笑い方で、勢いに任せて言ったことはは何故そこでこんなに笑われたのかが不思議だ。
 そう思って隣の男性を見上げれば、残った自由な手を口元に当てて、真っ赤になりながらも照れくさそうに笑っている丈瑠がいる。
 1人なんだかワケの判らないことはに、女性はなんとか笑いを納めて向き直った。
「失礼致しました。 誤解させてしまったようで申し訳ございません。 」
「…はぁ。 」
 つい返事をすることはに微笑んで、それから女性は丈瑠に目をやる。
「可愛らしい奥様ですね。 では、私はこれで失礼させていただきます。 ありがとうございました。 」
 一礼すると、手にしていた紙挟みを抱きかかえて女性はあっさりと引き下がっていった。
 一体ナニがどうなっているのだろう。
 小首を傾げることはに、上から声が掛かった。
「おい。 」
 はっ、と気付いて、ことはは自分が抱えているモノに気付いた。
 勢いに任せて今も抱き締めているそれは、恐れ多くも主君の腕…。
「ひゃあっ!! ご、ごめんなさい! うち、つい…! 」
 慌てて手放した途端、その腕が今度は両腕でことはを包んだ。
 こんなに人の多いところで思い切り抱き締められて、ことははじたばたと慌てる。
「あ、あの、とのさま…っ! 」
「先に抱きついてきたのはおまえの方だ。 」
 そう言われてしまえばことはに二の句は継げない。
 固まったことはに頬ずりしながら、丈瑠は喉の奥でくつくつと収まらない笑いを続けている。
「…まったく、もう、おまえってヤツは…。 どれだけ可愛いことしてくれたら気が済むんだ。 」
 意味が判らなくて困惑していることはに、丈瑠は言った。
「ことは、そこのブース見てみろ。 」
 首を傾げながら、ことはは丈瑠の腕の隙間から女性が去っていった方を見た。
 そして、そこは何着ものウエディングドレスやブーケ、タキシードなどが飾られたブライダル・ショールームだったことに、ようやく気付く。
「おまえを待ってる間、おまえが着たらどれが似合うかって思って眺めてたんだ。
志葉は神式だが、想像するくらいは構わないだろう。
あの女性はここの店員で、ドレスを眺めていた俺に結婚の予定やら俺たちの年齢やら式の予算やら、アンケートがてらいろいろ訊いて来ただけだ。
おまえが心配したようなことはなにもない。 」
 目をまん丸にして聴いていたことはは、じわじわと込み上げてくる羞恥に、全身が熱くなっていくのを感じた。
 単なる店員さんに勘違いのやきもちなんて…!
 恥ずかしすぎて、穴があったら入りたい! なくても自分で掘って埋まりたい…!!
「ご、ごめんなさい! ほんまにすみません! うち、なんて考えなしで…!
人前で殿様に恥をかかせてしまって、もうほんま、すみません…!! 」
 恥ずかしくてカオが上げられない。
 うつむいて半泣きになっていることはに、丈瑠は笑う。
「莫迦。
俺がこれだけ喜んでるのに、なに謝ってる。 」
「でも…! 」
 尚も食い下がろうとすることはに、丈瑠は耳元で甘く囁いた。

「めちゃくちゃ嬉しかったぞ、おまえのやきもち。 」

「…っっっ!! ( ///// ) 」
 もうこれ以上赤くなりようがないというくらいに茹だったことはは、もうこのまま気絶してしまいたいと本気で思った。
 だが、本当に気絶できるワケもなく、超・上機嫌の丈瑠の腕の中でおとなしくしているしかないことはは、もう2度と早合点なんかしないと深く心に誓った。


 しばらくして、ようやく落ち着いたことはがカオを上げられるようになると、丈瑠はからかうようににやりと笑った。
「ところで、ことは。 俺はまだことはの旦那になってないぞ? 」
目を見張ったことはは、すまし顔で言い返す。
「すぐなるんです、別に嘘はついてません。 」
 言ってから思わずカオを見合わせた2人は、次の瞬間同時に笑い出した。






                               了
                                                   



今回は、たまにはことはちゃんにやきもちを妬かせてみよう! というコンセプトです。
いつも寄って来る男にやきもきする丈瑠さんですが、たまには妬かれる幸せを味わってもらおうという、もしかしたら丈瑠救済企画? (大笑)
妬いてもカワイイことはちゃんですが、これで少しは丈瑠の気持ちも理解できた…かもしんない。



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| | 2010/07/16/Fri 07:30[EDIT]
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| | 2010/07/16/Fri 16:29[EDIT]
Re: やきもち!
>ちびこざる様
こんにちはv
はい、その通り~♪
以前リクしていただいたことはちゃんのやきもちを使わせていただきました。
せっかくの記念SSに甘~いお話を!と思い、がんばったことはちゃんを書かせていただきましたよ。
ナイスなリクをいただき、こちらこそありがとうございました♪
ぽややんでほえほえとしたことはちゃんは、あまりやきもちとは縁がなさそうですが、そんなことはちゃんだからこそ、威力が増すというものですv
丈瑠も自分で想像した以上に喜んでくれました♪
まさに、報われたってヤツですね。(笑)
そんな2人を見て、お店のお姉さんもさぞいい見ものが見られたコトでしょう。(^-^)

「家族志望」は、正確にはシンデレラエキスプレスの話を考えていての派生でした。
ですから、直接リクにお答えしたワケではないのですが、喜んでいただけたのなら良かったです♪
そっちのちゃんとした話も書きたいとは思っているのですが。
ことはちゃんを泣かせてしまう話になってしまうので、ちょっと書きづらい…とか。(苦笑)

いつものんびり更新で申し訳ないのですが、温かく見守ってくださっててありがとうございますv
またSS更新ができた暁には、またぜひひとこといただければ嬉しいですvv
早瀬 美夜 | URL | 2010/07/22/Thu 21:14[EDIT]
Re: 持って帰ってもいいんですか?
>teddy様
お久しぶりです♪
ふふふ、たまにはこんなことはちゃんも可愛らしいですよね♪
てか、どんなことはちゃんでも可愛らしいんですが、こんなふうに独占欲を表に出すことはちゃんはまた一品に可愛らしくて、丈瑠さんもめろめろです♪
かっこよすぎる旦那様と可愛らしすぎる奥様は、羨ましすぎるカップルでもありますよねvv

それから、お持ち帰りいただけるとのこと、ありがとうございます!
…なんだけど、ブログ!?
teddyさん、ブログやってらっしゃるんですか? いつの間に!
差し支えなければぜひ載せてやってくださいませ。
で、ぜひブログのアドレスをぜひ! (笑)
早瀬 美夜 | URL | 2010/07/22/Thu 21:23[EDIT]
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| | 2010/07/24/Sat 01:16[EDIT]
Re: わーい♪ 返しませんよv
>teddy様v
どーぞ、もらってやってくださーい♪
あー、長いSSなので、ぶった切って掲載していただいてもOKですよー。
ただ順番だけ間違えないでやってくださいね。(大笑)

それから、ブログのアドレスをありがとうございます!
ぜひお伺いさせていただきますね♪
早瀬 美夜 | URL | 2010/07/24/Sat 17:53[EDIT]
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