『侍戦隊シンケンジャー』 の殿×ことはにすっ転んだ早瀬美夜がお送りする、ちょっとじれったい系ほのぼのSSブログです。お気に召しましたら幸いです♪

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賜り品v
拙宅のお客様であられるけらら様より、SSを拝領致しました♪
せっかくですし、許可をいただきましたのでここに掲載させていただきます。

「一応、緑→黄→赤、です。
…が、赤は登場せず、黄も倒れてます(笑)
銀幕BANG!を見ていたら思いつきました。」
とのことです。
感想などいただけましたら、けらら様の方に転送させていただきますので、よろしければどうぞv

サムライワールド異聞


バッチードによって異世界へ飛ばされた流ノ介たち5人。
飛ばされている間にばらばらになってしまったようで、千明が目を開けると、そこには流ノ介も茉子も源太もいなかった。
ただ、目の前にことはらしき少女が倒れている。
その少女はことはにそっくりだけど、着物姿で…。

「何だぁ、ここは?」
周囲を見回しているうちに、千明は、自分もいつの間にか着物を着ていることに気づいた。
「え?!俺、何でこんなカッコしてんだよ?!」
ややパニックになりながらもう一度周りを見ると、ビルだとか電柱だとか、普段見慣れたコンクリートの建造物が一切見えない。
見えるのは、時代劇そのものの木造の長屋とか、井戸とか、圧倒的に茶色系のものばかり。
どうやら過去に飛ばされたらしいと推測した。
「マジかよ…」
千明は座り込んだまま頭をかいた。
その感触で、とりあえずちょんまげ頭にはなっていないことに気づき、少しだけホッとした。
そして、倒れている少女に目をやった。

「っつーと、これはやっぱりことはか…」

流ノ介、茉子、源太は一体どこにいるんだろう。
自分たちが飛ばされたあと、丈瑠(と走輔)はどうなってしまったのだろう。
…元の世界に戻るには、どうすればいいのだろう。

色々考え出すと、頭が爆発しそうだ。
「…ま、何とかなるっしょ」
千明は強引に結論づけ…というか、考えるのをやめた。
「…考えても仕方ねえし」
一人つぶやく。

異世界に飛ばされたことは不幸以外の何ものでもないと思うが、ただ一つ、不幸中の幸いと言えるかもしれないのは、ことはと一緒だということだ。
千明は、まだ気を失っていることはの側に座り直した。
黄色の格子縞の着物姿のことはは、こんな時だけど、とてもかわいらしい。
髪も結い上げられていて、町娘といった風情だ。

丈瑠とことはの想いに気づいたのは、いつごろだっただろうか。
戦いに明け暮れる主従に、甘やかな関係など必要ないと、二人とも無意識のうちに想いを封印しようとしているのかもしれないが、それでもなお溢れる気持ちに、周囲はとっくに気づいていた。

千明は、年少組ということもありことはとは最初から仲が良く、友だちのように、時には兄のように、ことはを見守っていた、つもりだ。
でも、ことはに対する自分の気持ちは兄としての感情ではないと、丈瑠とことはの想いに気づくのと時を同じくして自覚してしまった。

…よりによって丈瑠…。

かなわない、という気持ちと、丈瑠だからこそ負けたくない、という気持ち。
丈瑠ならことはを幸せにできる、という気持ちと、自分が幸せにしたい、という気持ち。
でも、ことはの瞳はまっすぐ丈瑠を見ていて…。

…いっそ、元の世界に戻れなくなれば…。

一瞬、そんな考えが浮かんだ。
丈瑠がいない世界。
ことはと二人、ここで生きていければ。

しかし、千明のそんな考えが伝わったわけではないだろうが、気を失ったままのことはの口から、うわごとのように何かが聞こえてきた。

「…と…さ…」
「え?」

思わず聞き返した千明の耳に、今度ははっきりとその呟きが聞こえてきた。

「とのさま…」

千明は思わず天を仰ぐ。
…気を失っても、異世界に飛ばされても、ことはの心は丈瑠で占められているのか…。
かなわない。
俺は、丈瑠にかなわない。

…でも、今は。
俺がことはを守る。守ってみせる。

たとえその心が自分に向いてなくても、好きな女一人守れねえようじゃ、侍としてっつーより、男としてどうかって話だよな。

丈瑠。
お前は今、俺たちがいなくなった世界で、一人で戦おうとしてるんだよな?
お前があの走輔って奴を簡単に受け入れるとは思えねーし。

丈瑠ならむざむざやられるとは思わないけど、でも、一人で無茶するなよ。
俺たちがそっちの世界に戻れるまで、無事でいろよ。
俺たちのために。
…ことはのために。

俺たちは、どうにかして元の世界に戻るから。
それまで、この世界では、俺がことはを守る。
…それくらい、いいよな?丈瑠。

千明は、まだ目を覚まさないことはの額に、そっと唇を寄せた。


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